脳に寄生した彼氏にハマる!? 妄想超えのコミック『脳カレ』が面白い(ブックレビュー)

ダ・ヴィンチニュース / 2013年5月24日 12時20分

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『脳カレ』(陽気婢/集英社)

 ラブストーリーなど、すれ違ってこそ、面白い。相手が何を考えているか分からないことに悩み、苦しむ。惹かれ合いながらも邪魔が入って中々結ばれることができない、そのもどかしさを楽しむものだと思っていた。だが、この作品はその王道からは少し外れている。サチと恋人はすれ違いようがないのだ。サチと恋人は、一心同体、四六時中一緒に居られるはずなのだ。何故なら、サチのカレシは彼女の脳内に住んでいるのだから…。

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 「脳内にカレが居る」というと、「俺の嫁が画面から出て来ない」と嘆く、世のオタクたちよりもさらに夢見がちな、妄想癖の主人公を想像するだろうが、そのイメージは読み始めてすぐに覆される。

 サチは趣味のハイキングをしている最中に、謎の異星人・カイルに脳内に寄生されてしまったのだ。神経系寄生生物であるカイルの存在に最初は戸惑いを隠せない。だが、脳内に寄生しているが故に、カイルは彼女の望みを何でも叶えてしまう。特に、サチが疲れた時には、記憶の中のイメージを組み合わせて構成した“心のリゾート"という脳内空間を作り上げて彼女を癒すのだ。そんなカイルにサチはどんどん惹かれ、求めるままに心も体も満たされる恋愛にハマっていく。

 だが、そんなある日、2人の甘美な世界を脅かす重大事件が巻き起こる。SFのような設定に惹かれ、一気に読んでしまうこと間違いなしだ。

 カイルの存在を仲の良い同僚たちに説明できず、嘘を重ねてしまうサチの姿が可愛らしい。そんなサチの姿を見ていると、どんな恋愛でも悩みは付き物なんだなあ、周りの女子との人間関係って結構厄介なんだよなあ、と考えさせられてしまう。もしかしたら、恋人に100%理解されるサチの恋愛は、普通の恋愛よりもずっとハードなのかもしれない。恋に悩む全ての女性にぜひ読んでもらいたい1冊だ。

文=アサトー ミナミ
(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

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