豪腕政治家もイチコロ! 官僚が使う、門外不出の「説得術」とは?

ダ・ヴィンチニュース / 2013年5月30日 11時30分

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『官僚が使う「悪徳商法」の説得術』(原英史、真柄昭宏/講談社)

 この春に就職や転職をしたり、部署が異動となった人は、ようやく新しい環境に慣れてきた頃だろうか。しかしどうしても苦手な人がいる、ワガママな上司に手を焼いている、難攻不落な得意先にホトホト参っている、なんて人はいないだろうか。え? 新しい職場じゃないけど、ずっと悩んでる……?

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 そんな自分たちの身近にいる人よりも数枚上手で、一筋縄ではいかない手練手管のコワモテ政治家をも懐柔し、意のままに操る説得テクニックを持つ人たちがいる……それが官僚だ。それまで強硬な姿勢だったのに、大臣になった途端に大人しくなる政治家は多いが、それは官僚主導によるもので、「官僚の説得術は日本最強」であり、その手法は悪徳商法に奥底で共通する「人間洞察」があるというのは、元経済産業省の官僚と、竹中平蔵経済財政担当大臣政務秘書官を務めたという2人による共著『官僚が使う「悪徳商法」の説得術』(原英史、真柄昭宏/講談社)だ。

 本書によると、説得とは「相手が納得した上で行動してもらう行為」だという。そのためには相手についての深い理解、人間洞察が不可欠という。それにはまず「信頼関係」を築くことが大事で、これが「戦わずして勝つ」戦法だそうだ。官僚もこまめに政治家のところへ顔を出し、世話を焼いて、いざというときに「君がそう言うなら」と一任される信頼関係を構築するという。しかしこれは政治家や大物だけではなく、どんな相手に対しても同じで、まずは小さなことからスタートして信頼関係を作る努力が必要だという。

 また相手に「よく考えてみる余裕を与えない」よう、重要案件をギリギリのタイミングで持って行ったり、次に予定のある時間を狙って「今日中に判断頂く必要がある」と選択を迫る。さらには他のことに気を取られている時を狙ったり、案件をいくつも持ち込んで、了解を取りやすいものを先に、ややこしいものを最後におまけのように言う、というテクニックも駆使するのだ。これ以外にも、先送りしてうやむやにしたり、「◯◯さんはこう言っていた」などと疑心暗鬼な状況を作り出して孤立させたり、他の人の応援を上手く使って、最終的に相手が「イエス」と言う状況に追い込んでいくという。さらには「数字・具体例・比較」を恣意的に使って説得するテクニックや、複数用意した選択肢に「おとり」を紛れ込ませ、その選択肢の中だけで比較する方向に誘導する方法などもあるそうだ。そして説得の最後の最後の手段……それが「脅し」だ。脅しの本質というのは、人が嫌がる「損失」を突きつけて、回避する方向へ誘導する技法だ。「そんなことをすると訴訟になる」「経歴に傷がつく」「間に合わなくなる」などと言って、自分の都合のいい方へ話を持って行ってしまうのだ。

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