佐々木俊尚が考える、これからの世界で「私たちに必要なもの」

ダ・ヴィンチニュース / 2013年7月26日 12時10分

写真

『レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる』(佐々木俊尚)

 世界が変わっていく足音を感じながらも、自分が生きることに精一杯で、この世界の構造に目を向けない人が多い。だが、それで良いのだろうか。視野を広く持って、世の中の仕組みに少しでも目を向けるべきではないか。ビジネスチャンスが来ていると気づいても何をすべきか分からず、動けない人がほとんどである。だから今勉強しておこう。そのためにこの本は必要不可欠だ。

関連情報を含む記事はこちら

 佐々木俊尚氏の『レイヤー化する世界』は、過去に人々が築き上げてきた世界システムの変遷を概観している。その上で、現在起きている変化を指摘し、新しい世界システムを浮かび上がらせた、次世代を生きる人のための本である。

 著者によれば、20世紀を支えた民主主義によって構築された世界システムは、「ウチ」と「ソト」を分割することで機能していたという。先進国の「ウチ」は豊かになり、発展途上国である「ソト」は富を奪われていくという構図だった。だが、インターネットの登場やグローバル化の流れにより、このような世界システムは幕を閉じようとしている。現在登場し始めている新しい世界システムが本書のタイトルにもなっている、「レイヤー化」という流れなのだ。

 「レイヤー化する世界」とは、テクノロジーによって提供される「場」を利用しながら管理され、層に切り分けられながら、つながっている社会である。例えば、アマゾン、グーグル、アップル、フェイスブックが提供しているようなネット上の「場」に人は自然と集う。この構造の中で、人はレイヤーと呼ばれる様々な層によって、多様な人とつながりを持つようになっていくのだと著者はいう。つまりは、自分の持っている興味に応じて、その都度人が階層を作ってコミュニケーションしていくようになるのだそうだ。

 インターネットによって世界には国境がなくなった。世の中はグローバルなレベルでのレイヤー構造に組み換わってきているのだと著者はいう。これから世界はそれぞれの国民国家、旧来のウチソトという縦割りの枠組・構造ではなく、横に繋がる複数のレイヤーによって再構築されていくのだろう。

 本書において著者はこのような変化は必然的なものとして捉えているが、こんな世界で私たちはどう戦えば良いのか。著者は、大切なのは、自分の専門分野をベースに「掛け算」することと言っている。何かひとつの柱になるスキルを持ち、それに様々な要素を掛け合わせることで他の人が到達できないエリアを作りあげていくことが、これからの競争に勝つポイントだ。

 さあこれからの時代を担う貴方はどんなスキルを極めて、これからの世界で戦っていくのか。でもまずはこの本を読んで、世界の仕組みを知ること。戦いはそれからだ。

文=アサトーミナミ
(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

ダ・ヴィンチニュース

トピックスRSS

ランキング