キラキラだって気にしない? 子供の名前は音で決めろ!

ダ・ヴィンチニュース / 2013年8月21日 11時30分

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『世界で通用する子供の名前は「音」で決まる』(宮沢みち/講談社)

 「空詩」「龍飛伊」「虹」。あなたはこれらの名前をサラリと読むことができるだろうか。

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 頭から順に、「らら」「るふい」「しえる」と読む。元オセロ・松嶋尚美が自身のブログで長女の名前、空詩(らら)を報告したところ、「まったく読めない」とネット上で話題になった。有名人の子供のみならず、人気漫画の主人公の名前や好きなバンド名をもじった名前など、キラキラネーム(個性的だが読むのは難解な名前という意味のネット上のスラング。別名DQNネーム)の勢いは留まるところを知らない。明治安田生命による「生まれ年別の名前調査」でも、 飛緯朗(ひいろう)、実新(みにい)、朱香(あろま)など難解な名前が続々登場しており、折しも静岡県の小児救急で働く男性医師が「キラキラネームは救急隊から名前の表記を説明される際に時間がかかるため、患者取り違えの危険性が増す」とTwitterを通じて警鐘を鳴らしている。

 命名にまつわる騒動は海外でも報告があり、先日はアメリカ・テネシー州でも「メシア」と名付けられた男児に対して、同州の判事が「メシア(救世主)はキリストにのみ許された称号である」として名前の変更を命じたり、増え続ける奇妙な命名を抑制するためにドイツ当局が「インベーダー」「ウイスキー」などの命名の拒否リストを発表したり、かと思えばスウェーデンでは「メタリカ」や「スーパーマン」などの命名が却下されたとのこと。今や「キラキラネーム問題」は、世界共通の現象となっているようだ。

 では、日本ではいつごろから、なぜ、キラキラネームが名付けられるようになったのか。『名づけの世相史「個性的な名前」をフィールドワーク』(小林康正/風響社)によれば、「読めない名前」が世間で注目を集めメディアに取り上げられたのは、2000年前後だという。朝日新聞が家庭欄に「命名狂想曲」という連載(1999年)を組み、「読めない名前」の実態報告とそれに関わる人々の声が紹介され、問題視する教師や医師と、それに抗弁する親たちの丁々発止のバトルが展開された。紙上で語られた内容から推測すると、現代の親たちが“珍しい名前”を名付ける動機は“個性”という一語に集約されるようだ。「個性を伸ばす教育をする時代において、個性的な名前は歓迎されるべきである」と。

 一方で、10万件を越える名付け相談の専門家である『子供の名前が危ない』(牧野恭仁雄/ベストセラーズ)の著者によれば、子供に珍奇なキラキラネームをつけたがる人たちには、「自分自身は“カッコいい”生き方ができていない」「こうありたい自分でいられない」という欠乏感を抱える人が多く、キラキラネームはこうした人々の無力感や疎外感の広がりをはかるバロメーターであると述べられている。親の深層心理が現れた“個性的”な名前を付けられたことで、人から笑われたりあだなをつけられ、悩む人が多く存在する実態にも触れている。

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