事故物件という事実は借り主に伝える必要はない?

ダ・ヴィンチニュース / 2013年8月22日 11時30分

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『事故物件に住んでみた』(森史之助/彩図社)

 実は、事故物件であるという事実を借り主に伝えなければならないという決まりは、法律で定められているわけではなく、原則的にないらしい。もちろん告知する不動産業者が大部分だろうが…。

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 物件探しで一番避けたいのが「ワケあり物件・事故物件」だろう。値段が相場の半額など明らかに“怪しい”と避けられるが、前述したように、「伝える」義務がないということは、何の告知がなくても数年も遡れば実は事故物件だったという可能性は捨てきれない。

 少し前にネットで話題となった不動産情報サイト「SUUMO(スーモ)」に掲載されたあからさまな事故物件。「オバケのQ太郎」を使い可愛く見せかけておいてかなり恐ろしい内容だ。問題の物件は、千葉県浦安市にある築30年のアパート。1Kで約20平米、バス・トイレ付きにも関わらず家賃は、2万3千円と格安。住みたいという問い合わせが多数あったそうだ。よっぽどの物好きなのか、とにかく安く住めればいいという人なのか。

 実際にワケありの「JKK(東京都住宅供給公社)特定物件」に暮らす20代男性Oさん(幽霊は信じない)が、事故物件を選んだ理由は“たまたま”だった。

 はじめからそういった物件を探したのではなく、たまたま若者の単身男性では入居できない家族向けの広い公社、しかも半額で住める「JKK特定物件」を見つけたそうだ。それに興味を持ち、渋谷のJKK事務所に行っところ見せられたのが「事故部屋リスト」。大雑把に病死、自殺などと書かれ、見た限り他殺はなかったそうだ。

 「Oさんの部屋は衰弱死ですから」「90歳ですから」などとアピールされたことが気に障ったものの入居を決意。入居した当初は、風呂場が浴槽から給湯器、壁紙に至るまでピカピカの新品で、それにはさすがにひいたそうだが(死体として見つかった場所はすべてリフォームされるらしい)、すでに1年以上住んでいて、特別変な現象もなければ、部屋に訪れた友人は普通の部屋だね。という反応らしい。(※3年以内の引越は認められない)

 著者自ら事故物件に住んで実態に迫った『事故物件に住んでみた』(森史之助/彩図社)によると、年間3万人を超える自殺者の最期の場所は55.3%が「自宅」らしい。日々、膨大な数の事故物件が生まれ、そこに目をつけたビジネスがひそかに成長を遂げているという。「間に賃借人がひとりいれば、2番目の住人には事故の事実を告げなくてよい」などという誤った解釈が、業界内や消費者の間でまかり通っていることへの懸念、自ら「事故物件」に住みタブー視されてきた「事故物件」を検証したのが本書だ。

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