ラノベと何が違うの? 大人向けエンタ小説レーベルが創刊

ダ・ヴィンチニュース / 2013年8月24日 7時20分

写真

(左から)『盾の勇者の成り上がり 1』『ライオットグラスパー ~異世界でスキル盗ってます~ 1』『詰みかけ転生領主の改革 1』

 8月23日、メディアファクトリーとフロンティアワークスの共同プロジェクトである「オトナ」向けエンターテインメント小説の新レーベル「MFブックス」が創刊した。対象読者は、学生時代にアニメやゲーム、コミックやライトノベルに慣れ親しんできた20代後半から40代の社会人男性だという。

MFブックス作品詳細や動画を見る

 同レーベルの作品は、「キャラクターノベル」ではあるものの、中高生向けの「ライトノベル」と違い、「萌え」や「恋愛」要素よりも「ストーリー」が重視されているのが特徴だ。本のサイズもB6版と、ライトノベルの文庫版より一回り大きく、最近の一般的なライトノベルの表紙とは異なり、表紙に男性主人公や背景なども描かれている。

 創刊タイトルの『盾の勇者の成り上がり』『ライオットグラスパー ~異世界でスキル盗ってます~』『詰みかけ転生領主の改革』の3作品は、いずれもネット小説投稿サイト「小説家になろう」で連載されている人気作品の書籍化だ。ロールプレイングゲームなどでお馴染みのファンタジー世界に、主人公が生前の記憶やスキルを持ったまま転生をするという構成が特徴になっている。同じようにネット小説から書籍化された作品には、アルファポリスの『ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』や、エンターブレインの『ログ・ホライズン』などが挙げられる。

 近年大きな盛り上がりを見せている「小説家になろう」の読者は若年層が中心だが、そこから書籍化されたものを購入するのは30代以上の高年齢層が多いという。MFブックス編集部の堤由惟氏(フロンティアワークス)は、「社会人は忙しくて時間がとれず、膨大にあるネット小説の中から良質な作品を探すことがなかなかできません。オトナにはお金を出してでも面白いものを読みやすい形でまとめて読みたい、というニーズがあると思っていて、それに応えていくのが我々の役目なのかなと」と同レーベルの創刊の背景を語る。

 「小説家になろう」で発表される作品は、連載形式のため、読者の反応によってストーリーや設定などが変わっていったりすることも多いという。人気になればなるほど読者が増え、反応も様々なため、中には書き手の心が折れてしまい、良い作品なのになくなってしまうこともあるのだとか。

 「でもそれが、“作品を面白くする”という意味で機能していると思います。もちろん、作者さんも読者の意見を全て取り入れるわけではないんですけど。個人的にはボーカロイド周辺の流れと似ているなと思っていて、読者の方々は“自分が育てた”といった感覚を持っているんじゃないでしょうか」。堤氏は同サイトのシステムの魅力を説明してくれた。

 「創刊タイトルの作者さんも、改稿作業をしながら毎日更新するという、もの凄く精力的で、自分の持っている情熱を文章に叩きつけている方々。だからこそ数百万人にものぼる読者の支持を得られたんじゃないかな、と思います」

 常に読者の目に晒されるということを意識して書かれ、さらにはPVランキングという目に見える形で評価された作品は、一体どんなエンターテインメント小説に仕上がっているのか? はたして「オトナ」の鑑賞に堪えるものなのか? 「MFブックス」では、創刊3タイトルにつづき、今後は毎月25日に3冊というペースで新作が刊行していく予定だそう。ぜひ今後の展開にも期待したい。


取材・文=鷹野凌

(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

ダ・ヴィンチニュース

トピックスRSS

ランキング