祝イプシロン再打上げ! ところで人類は宇宙のことをどれくらい分かっているの?

ダ・ヴィンチニュース / 2013年9月15日 7時20分

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『宇宙物理学者がどうしても解きたい12の謎』(スティーヴン・ウェッブ/青土社)

 新型ロケット「イプシロン」の打ち上げで降って湧いたように注目の集まった日本の宇宙開発技術。打ち上げ延期の理由が0.07秒の命令伝達のズレだったことは誰もが知っているけれど、そもそも、イプシロン打ち上げの目的って何? JAXAの公式サイトによれば、大きな目的は2つ。

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 ひとつは──「イプシロンロケットは高性能と低コストの両立を目指す新時代の固体燃料ロケット」であり、その技術を立証し「ロケットの打ち上げをもっと手軽なものにし、宇宙への敷居を下げよう…それがイプシロンロケットの最大の目的なのです」。

 そして、もうひとつが──イプシロンロケットに搭載されている「惑星分光観測衛星(SPRINT-A)」を衛星軌道上に運ぶこと。SPRINT-Aとは「地球を回る人工衛星軌道から金星や火星、木星などを遠隔観測する世界で最初の惑星観測用の宇宙望遠鏡」とのこと。

 一般人の我々には、一見するだけでは何がすごくて何をどうするのか分からないけれど、人類が叡智を絞って果てしない宇宙の謎に挑んでいることは間違いないのである。

 しかし。類まれなる頭脳を集め、各国がしのぎを削り、アリストテレスの時代から研究し続けている宇宙について、我々人類はどれだけのことを解明できているのだろうか?

 『宇宙物理学者がどうしても解きたい12の謎』の著者スティーヴン・ウェッブ氏いわく「分かっていると思っている」部分はなんと──たったの5%だとか!

 残りの95%を解明するため、宇宙物理学者がどうしても解きたい12の謎があるという。

 たとえば、「ビッグバン以来、宇宙は膨張を続けている」というのは割と知られた情報だが、「何が宇宙を膨らませているのか」ということすら、正確な答えが見つかっていない。

 たとえば、「地球に似た惑星は存在しうる」としながらも、「それがどこにあるのかわからない」。

 はたまた、「ビッグバン宇宙論」が内包するいくつかの難点をクリアすることのできる「インフレーション」という概念。ビッグバン直後、10のマイナス36乗秒後~10のマイナス33乗秒後という光速を超えた光速で「宇宙の初期に実に壮大な急速膨張」があったという説だが、それを宇宙物理学者は立証したい。

 分かっているようで、分からないことだらけ──それが5%ということなのだ。

 そして、それらの謎を解くカギを握るのは宇宙に向ける眼。すなわち「望遠鏡」なのだ。

 そう、軌道上に宇宙望遠鏡を運ぶイプシロンロケットの目的もやはり、宇宙の謎を解明することに他ならない。そのために、世界各国の天文学者や宇宙開発関係者たちは研究を続けているのだ。  

 2016年には、NASAが探査機オシリス・レックスを、小惑星1999RQ36に派遣し、「小惑星の表面の鉱物地図作成・2kgの試料を採取を行って2023年の帰還」を目指しているという。 5%が6%になり、やがては100%になる日まで、人類の宇宙へのあこがれは膨らみ続ける。この宇宙が広がり続けるように。


文=水陶マコト
(ダ・ヴィンチ電子ナビより)

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