「日本人と犬お断り!」本当の中国とは… 108人の証言

ダ・ヴィンチニュース / 2014年1月27日 18時0分

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『在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由』(在中日本人108人プロジェクト:編/阪急コミュニケーションズ)

 「日本人と犬お断り!」の張り紙が出されたのは、2012年9月におこった尖閣諸島の領土問題で日中関係が悪化し、反日デモが中国で起こった時に中国でレストランバーを経営する桑江さんが見た張り紙だ。日本のデパートにデモ隊が押しこみ破壊と略奪をおこなったことは記憶に新しい。

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 この行為には嫌な気持ちを感じる人は多かっただろう。しかし不思議と私は中国人を嫌いになれなかった。それは大学で同じゼミに所属している中国人留学生の影響だ。この騒動があったからといって彼を嫌いになることはなく、逆にその話題をツマミに、より仲が良くなったようにも感じる。私には彼や彼の友達が急に反日感情をむき出しにするとは思えなかったのだ。

 では中国に住む日本人たちはデモも含め中国という国をどのようにみているのだろうか?

 『在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由』(在中日本人108人プロジェクト:編/阪急コミュニケーションズ)に登場する在住23年の米山さんは出勤中にデモに遭遇。殺伐という雰囲気というよりは若者たちがはしゃぎながら写真を撮っていたという。そしてデモを避けるために脇によけようとしたら、公安職員に「流れに逆らわず進んでください~」と促され、デモの流れに逆らうことができずに日本大使館へ進むしかなかったというのだ。これは米山さんに限ったことではなかったという。他にも多くの人が、日本の友達や会社が言うほどではなかったというのだ。

 一方で、中国を出るという人もいた。しかしデモが直接的な影響ではない。中国でビジネスをしていた松原さんは「グローバル化の影響で中国も特別でなくなってきてしまっている」という。日本と違う中国にひかれていたのにそれが減ってきたという。在住18年の古屋さんは、「日本と米国の違いは?」という質問をする人はいないのに「日本人と中国人の違いは?」という質問は日本人から良く聞かれるという。同じアジアにあり容姿が似ているからと言ってももともと違う国なのだから無理に一緒にする必要はないのではという。

 このように多くの「在中日本人」の中国という国に対するさまざまな視点や考え方がまとめられている。日本でも最近は中国が嫌いだという人が増えてきたように思えるが、中国を知ろうとする人が何人いるのだろうか? 在住10年の山口さんは「日本で博士号をとった中国人は6000人を超えたのに日本人は100人も行かない」と嘆いていた。

 最後に、「日本人と犬はお断り」が掲げてあったレストランを見かけた桑江さんはどうなったのか? 彼は彼が経営するレストランバーで「日本の政府は嫌いだ。釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国古来の領土だ! この件に関しては絶対に譲れない。でも政府は政府、ビールはビール、アサヒビールをもう一杯!」という漢族のお客さんの言葉を聞きながら一緒にプレミアリーグ(サッカー)を見ていたという。

文=吉池拓磨

ダ・ヴィンチニュース

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