なぜ『三省堂国語辞典』に「巨乳」が載っていないのか? その理由を編集委員に聞いてみた

ダ・ヴィンチニュース / 2014年2月2日 9時20分

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『三省堂国語辞典のひみつ』(飯間浩明/三省堂)※2月13日発売

 先日、新語に強いことで定評ある『三省堂国語辞典』(三省堂)の最新第7版と第6版を読み比べ、追加された新語を見つけ出すという、実に何とも大変な記事を書いた(「オタク」の意味もポジティブに 新語4000の新「三省堂国語辞典」を旧版と読み比べ)。記事を読んでいただければわかるが、一口に「新語」といっても、そのジャンルは様々。パッと見て最近の言葉とわかるものもあれば、なぜ今更この言葉を追加するの?? と首をかしげたくなるものもある。いったい、これらの語はどのような過程を経て追加されていくのだろうか?

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 その疑問に答えてくれるのが、『三省堂国語辞典』の編集委員を務める飯間浩明氏が書いた『辞書を編む』(光文社)、『辞書に載る言葉はどこから探してくるのか? ワードハンティングの現場から』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の2冊。前者は辞書編纂の過程を、後者は辞書に採用する言葉を街の看板や広告などから採集する“ワードハンティング”の実例を教えてくれる、辞書のバックヤードをテーマとした好著だ。

 特に興味深いのがワードハンティングの模様。渋谷、原宿、秋葉原、巣鴨、高円寺、柴又など都内各地を隈なく巡り、見たことがない語を発見すればメモし、意味が分からない語があれば尋ね、文字通り言葉をハンティング(目的のものをねらって、さがしまわること※三省堂国語辞典第7版より)していく。もちろんワードハンティング以外の時間も、通勤途中なら雑誌や書籍、家に戻ればテレビを…というように、編集委員たちは改訂作業に向け、数年間にわたり絶え間なく言葉を探すのだという。ハンティングの最中に不審者と疑われたこともあるというから、その苦労は並大抵のものではないのだろう。いや、並大抵でないに決まっているさ! というわけで、その苦労をさらにディープに探るべく、著者の飯間氏にお話を伺ってきた。

 折しも2月に最新刊『三省堂国語辞典のひみつ』(三省堂)の刊行を控えているという飯間氏。こちらも、辞書編纂の苦労や「三国」の魅力を紹介する1冊ということで、その内容から辞書編纂作業の大変さを一部抜き出してもらうと…。

 「たとえば“ライター(lighter)”という語があり、第6版で“タバコの火をつける器具”と書き換えたんですが、実はこれだけの一文を書くのに一晩を要しているんですね。第5版では“発火石をこすってタバコの火をつける器具”とあったのですが、現在では発火石が見当たらないライターもある。その違いを調べるため、最終的には2種類のライターを購入し、分解して確かめてみた結果、現在の書き方となったわけです」

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