小島慶子が「コミュ障」のあなたへ捧ぐ“精神のコスプレ”手法

ダ・ヴィンチニュース / 2014年2月3日 15時0分

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『コスプレ上手は、仕事上手!』(小島慶子/集英社)

最初に『コスプレ上手は、仕事上手!』(集英社)のタイトルを見た瞬間、「えっ。きょうびデキる人はコスプレまでしているという新手の啓蒙本ですかっ!?」とカン違いされた方もいらっしゃるかもしれません。著者は元TBSアナウンサーでタレント・エッセイストの小島慶子さん。今や歯に衣着せぬ言葉のプロレスラーとの異名をもつ彼女ですが、かつては人付き合いが苦手で要領が悪く、さまざまな苦労をされてきたのだとか。そこで自分のようなコミュニケーションオンチな人が、少しでも楽に社会を渡っていけるようにと、具体的な処方箋を語り下ろしたのがこの本です。

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 小島さんは本書の中で、まるで衣装を着替えるかのごとく、相手に合わせてコミュニケーションの手法をさまざまに変えることを “精神のコスプレ” と定義しています。学生時代から現在まで、自身が転んだり、傷ついたり、人にイライラした経験から編み出したコスプレ手法は、どれもすぐに応用できそうなものばかり。

 たとえば、仕事をうまく進めるためのコスプレ。イヤな仕事がまわってきたら、すぐに可愛げなく真っ正面から抗議せずに、まずは立ち止まって、自分の心の本当のところを見つめます。言いたいこと、伝えたいことの優先順位が整理できたら、あとは波風を立てずに本心を上手く伝えるという目的達成のため、相手の心に最も刺さりやすい言葉はどれなのかを考える。次に言葉だけでなく、感情にしっかりフタをしてから、下手に出たり、頼ってみせるなど、相手に受け入れられやすいよう、自分の態度ごと、その都度まるっと変えてみる。そう、ちょっと「ずるい」けれど、仮面をかぶって要領よく立ち回るというのが、 “精神のコスプレ”に流れるセオリーなのです。

 全編この応用で、さまざまなコスプレパターンが微に入り細にわたって書かれており、それらはよく読むと、コミュニケーション理論においてセオリーとされている、黄金ルールをふまえています。たとえば、ときには自分のことを正直に話したり(自己開示)、ときには自分のことをうまくオブラートに包んだり(自己呈示)、自分の言いたいことややりたいことを相手を怒らせずに伝える、アサーションのスキルなど。

 しかし読み進めるうちに、「コスプレなんて、そんなの結局、上っ面じゃん」「外側だけとりつくろって、果たして意味はあるのか」等々、純粋な方ほどモヤモヤした気持ちになってしまうかもしれません。しかし小島さんは、人間関係では必ずしも、本音をむき出しにすることが重要視されるとは限らない。優先順位を見極めて、より好感度の高い “精神のコスプレ” をすることが、自分も相手も楽になる生きる智恵だと語っています。

 世渡り上手な人に反発を感じ、今まで自分はどうしてもそうできなかったという人にとっては、最初の一歩のハードルは高いかもしれません。しかし、ここは習うよりも、少しづつ慣れてゆきたいですよね。自分なりの “精神のコスプレ”を編み出していく過程で、気づかなかった自分の内面を知るジョハリの窓効果が得られ、自己理解が進んで、まずは、自分自身と付き合いやすくなれるかもしれません。

文=タニハタマユミ

ダ・ヴィンチニュース

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