【対談】『龍が如く』名越稔洋×『るろうに剣心』大友啓史 2人がこだわる“ゴージャスな演出”とは

ダ・ヴィンチニュース / 2014年2月11日 9時20分

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(写真左)ゲームクリエイター・名越稔洋 (同右)映画監督・大友啓史

 「幕末」というキーワードでつながる2人の異種トップクリエイター。

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 ひとりは、2月22日に新作ゲームソフト『龍が如く 維新!』(セガ)が発売となるゲームクリエイター・名越稔洋。もうひとりは、映画『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(ワーナー・ブラザース)が、8月1日、9月13日と2作連続公開予定の映画監督・大友啓史。表現するメディアは違えど、それぞれ激動の時代を舞台にした作品を創る2人に、『魅せる演出とは?』という共通テーマについて語ってもらった。


■ゲームと映画に共通する“演出”とは

【大友】『龍が如く』シリーズの第1作が出たのはいつでしたっけ?

【名越】2005年です。最初に「繁華街の裏社会に生きる男の物語」という構想を描いたのは10年以上前になります。

【大友】それ以前にあの手の世界を扱ったゲームってなかったと思いますが……。

【名越】ありませんでした。構想を練っていた2000年代の前半はまだゲーム業界も活況でした。でも若干翳りのようなものが見え始めていたのも事実。京都で生まれたエンタメがアメリカ西海岸に渡って1億ドルのビッグビジネスになったのはいいとして、仕事がでかくなると今度は失敗できないものだから売れセンのひな形に入っていないとなかなか企画が通らない。僕はこの作品に限って女性や子供は触らないことにして「日本の、大人の男」にしぼり込むことにしたんです。もちろんネタがネタだけに周囲を納得させるのは大変でしたが、僕は売れると思っていました。ターゲットの中心層は30代男性。次は20代……ではなくむしろ40代。その次に20代がきて、50代も視野に入れる。ゲームを卒業しつつある世代を狙ったら想像以上にファンがついたんです。以前、60代の男性からお便りをいただいたことがありました。内容は「このエンディングは納得がいかん」という言ってみればクレームなんですが、僕はすごく嬉しかった。還暦を過ぎた人までが最後までクリアしてくれた! そりゃ嬉しいですよ。

【大友】受け手の生の声が伝わってくるのってやっぱりいいですよね。僕がテレビ局を辞めて独立しようと思ったのもそこなんです。テレビはどうしたって数字で評価されてしまう。大河ドラマなどはバジェットも大きいけどプレッシャーはさらにでかい。(視聴率が出る)月曜日は本当に胃が痛い。数字に一喜一憂するスタッフたちを盛り上げるために自ら血圧を上げて現場に入る。大河ドラマの場合、年輩の視聴者は黙っていても観てくれるだろうから若い人に観てもらうためにエッジの効いた色味にしたい。そこで、ほとんどすべてのメーカーのテレビの色合いをチェックして調整する……。で、そこまでやっているのに結果は顔の見えない数字に落とし込まれちゃう。これって結構つらいんですよ。映画監督なら劇場で観客が前のめりになる様子をこの目で見ることができますから。

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