泣ける猫本が増えている? 猫の物語に別れの日を思う

ダ・ヴィンチニュース / 2014年2月19日 12時0分

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『てつぞうはね』に登場する“ソトとボウ”にソックリの筆者の猫たち

 職場の同僚の飼い猫(10歳超)が乳がんだと診断され、さらに子宮筋腫まで見つかり、大手術を受けることになった。

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 「おたくの猫ちゃんたちは大丈夫?」と尋ねられ、ウチの“子たち”を思う。ウチには12歳のオスが1匹と11歳のメスが2匹の計3匹がいる。人間の年齢なら60~70代に相当する“高齢期”の猫たちだが、幸いにも目立った衰えもなく、健康だ。

 けれど、振り返ると飼い始めてからの10年はあっと言う間だった。それはイコール、“残りの時間”もあっと言う間に過ぎる、ということなのだと、気づいた。筆者にとって3匹は人生で初めての猫。まだ“別れ”を経験したことがない。少なくとも、この先3回はある“別れ”のとき、自分はどんな気持ちになるのだろうか? 猫はどんな気持ちなのだろうか? そんなことを考えながら、猫好き仲間から勧められた本をいくつも読んだ。

『うちの老猫の言うことにゃ』(ふじのはるか:著/富士見書房)
作者のふじの氏の家庭で飼われていた老猫パプア・愛称プーさんが19歳という老猫になってからの日々を淡々と、それでいて愛情にあふれた目線で描いたコミックエッセイ。飼い主夫妻の言葉をまるで理解しているかのようなプーさんの言動(?)は、猫飼いの人なら「あるある」といちいち頷き、「ああ、それかわいいなぁ」と思わずニヤけてしまうエピソードがいっぱい。

 夫・ぞぞ氏が寝坊し、「プーサンが起こしてくれないからだ」と言えば、翌日から起こしてくれるようになり、ご主人の旧車のパーツをねだりに来た“気に入らない若者たち”には速攻で噛み付いたり、猫なのになぜかハーブティーが好きだったり、歌うように長々と鳴いたり。

 そして、20歳の誕生日を迎えたプーさんは、次第に衰え始める…。1度は「ヤバそうだ」という状況を乗り越えたプーさんだったが、しばらくの後、再び起き上がれなくなり、2日後…最後に「あまりにも優雅」な伸びをして、息を引き取る。

 1度目の危機を乗り越えた翌日、「階段上ってる」「水飲んでる」「普通の姿がうれしくてうれしくて」と幸せを感じるふじの氏の反応。プーさんが息を引き取った後、会社で仕事中の夫・ぞぞ氏にかけた電話でうまくしゃべれなくなったり、火葬の際にダンボールの棺にプーさんの好きだったものを詰めてあげたり。夫妻が思い出して口にする「楽しかったね」の言葉。気づけば涙がこぼれていた。

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