煩悩のかたまり! パンクロックだった東大卒のお坊さんの過去とは?

ダ・ヴィンチニュース / 2014年3月6日 11時30分

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『坊主失格』(小池龍之介/扶桑社)

 いまや小池龍之介氏といえば、本屋に自己啓発本がずらりと並んでいる人気のお坊さんだ。「家出空間」というウェブサイトを自ら運営して、ほのぼのタッチの4コマや、お悩み相談コーナーなどを展開している。彼が特徴的なのは、ほのぼのムードでありながらも口から飛び出す言葉はかなりシビアだということだ。意地悪を言っているのではない。あまりにも的確に心に「ギクッ」とくるような“煩悩の図星”を突いてくることだ。そんなギャップも人気のひとつである。

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 そんな小池氏も、昔は誰よりも“煩悩のかたまり”であった。『坊主失格』(扶桑社)では、欲望にとらわれて破天荒に歩んできた著者自身の半生、そしてどうそれを克服したかや、煩悩のメカニズム等が書かれている。

本文は以下の様に章立ててある。
1・割愛、慢―煩悩の塊としての子供
2・怒り、嫉妬―道化を演じた高校時代
3・見、無知―狂気へ傾倒した大学時代
4・自分コントロール―修行で生まれた新しい自分

 超・寂しがり屋で甘えん坊だった著者は、高校生になっても家の中で自分を「りゅうくん」と「くん」付けで呼んでいた。しかしそれは自意識過剰のあらわれでもあった。自分は唯一無二の存在としてそのすごさを認められたい! という誰もが少しは持っている欲が全開で、周りの人を困らせたりした。

 驚くのは大学時代。「狂気へ傾倒」と自身が言っているように、奇行愚行の連続。道行く知らない人に、アンケートをとらせて下さいと近寄り「A4用紙の端っことB4用紙の端っこと、どちらに淫猥さを感じますか?」という支離滅裂な質問をして楽しんだり、外で意味不明な言葉を大声で言ってみたり。お坊さんの修行を始めてからも、奇癖はすべて消えずに、バスの運転手に「このバスはブタゴリラ3丁目に行きますか?」などふざけたことを言ってしまう自分に苦しめられたという。

 そのように、煩悩だらけで自分をコントロールできなかった著者が、自分の弱さを受け入れ、座禅瞑想などを通じて、四苦八苦しながら現在のようなとても穏やかな気質になったその過程や、どのように我々が欲・怒り・迷いで苦しんでいるのかも詳しく書いてある。誰よりも煩悩に惑わされたお坊さんが自分の過去を晒しながら、穏やかな心になるテクニックを教える、非常に説得力のある1冊だ。

文=女生徒

ダ・ヴィンチニュース

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