風下ではなく、なぜ“風上”に置けないなのか? 気になるあの言葉の語源を解説

ダ・ヴィンチニュース / 2014年3月9日 9時20分

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『日本人なら知っておきたい言葉の由来』(柚木利博/双葉社)

 ざっくばらんな会議の席で、ひょんなことからケチがついた。

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「“あいつは○○の風上にも置けない”の“風上にも“って変じゃないですか? “風下にも”のほうがしっくりきませんか?」

 揚げ足取りのような疑問だが、言われてみれば、おいそれと説明できない。

「風上にも置けないヤツ」は「ろくでなし」で、人の上に立つような存在ではない。
「風下」に置いてもらえば御の字、なのではなかろうか。

 各々みんな、あてずっぽうのこじつけデタラメごたくを並べて議論反論オブジェクション。にっちもさっちも行かなくなった。しのごの言わずきちんと調べ、らちのあかない水掛け論にけりをつけようと相成った。

 果たして、「風上にも」のココロは。

 まず、「風上に置けない」が本来の言い方。

 「臭いモノを風上に置いたら風下は臭くてたまらん」ということから、卑劣なヤツを指し示す言葉となった。

 ならば「にも」の「も」は間違いじゃないのか? この場合の「も」は「強意」の係助詞と考えると腑に落ちる。「おまえの顔を見る気にもなれない」みたいな使い方をするように。にんともかんとも、目から鱗の真相だった。

 こんな簡単なことも知らなかったのかと、バツが悪い思いをしていると、やにわに「実は…」「あれってどういう意味?」と「知ってそうで知らない日本語」に関して皆から疑問が上がり始めた。なんだよ、斜に構えて、知らない言葉があるなんておくびにもださなかったくせに…なんてしっぺ返しせず、調べてみた。

・「とりつくしまもない」の「しま」って?
 →航海中(漁業中)に海が荒れ、どこかに「船をつけたい」と「島」を探すが、どこにもない。しま=島。

・「右肩上がり」の「右肩」って?
 →(少々うやむやだが)基本的には数学のグラフと照らしあわせて使う言葉。グラフの横軸は時系列の進行を表すので、左へ行くことはありえず、「右肩」となる。「肩」には「文字やモノの上の角」の意味もあるので、合わせて「右肩」。 

・「わやになってしまう」の「わや」?
 →北海道、愛知、関西などで使われる方言。台無しになる、ムチャクチャになる、などの意味。代表的な用例:「まぁ一本、まぁ一本と、たいがいにしとかないかんよ。今晩のおかずがわやになってまった。鎌倉さんもいかんわ、うますぎるもん」(鎌倉ハムのCMより)

・「バクテリア」「細菌」「ウィルス」の違いって?
→大義的に細菌=バクテリア(英語)。ウィルスは生物の細胞を利用して増殖する…というか、これは「知ってそうで知らない日本語」じゃないだろ!

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