華やかなのは花嫁だけ? ウェディングプランナーは大変な職業!?

ダ・ヴィンチニュース / 2014年3月10日 11時40分

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『本日は大安なり』(辻村深月/KADOKAWA 角川書店物語)

 「いい夫婦の日」である11月22日、日曜日、大安。そんな縁起の良い日にホテル・アールマティで結婚式を行うことになった4組のカップル。しかし、この4組のカップルは何かしら問題を抱えており、大忙しのアールマティの中ではさまざまな思惑が交錯する。ウェディングプランナーの山井多香子、新婦に重大な秘密を隠しながら結婚式を迎えようとするダメ男の鈴木陸雄、互いにコンプレックスを持ち続ける双子の花嫁・加賀山妃美佳と姉の鞠香、叔母さんの結婚式を阻止しようとする少年・白須真空の5人がそれぞれの物語の主人公となりモノローグ形式で進んでゆく。

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 『本日は大安なり』(辻村深月/KADOKAWA 角川書店物語)の中で特に印象的なのはウェディングプランナーの山井多香子だ。彼女は自分の結婚式が直前で破談になった経験を持ち、その時に出会ったウェディングプランナーとの苦い思い出がきっかけでウェディング業界を目指すという変わり者。周囲からも自虐的と言われている。彼女が担当するのはトラブルメーカーの大崎玲奈。打ち合わせでは日程を間違え、山井に責任転嫁し、式で使用する部屋の名前が気に入らないから変えてくれと言い、お色直しの回数も急に増やす、そのうえ新郎とは大ゲンカ。山井にとっては頭の痛い存在であった。それでも、彼女は玲奈のために誠心誠意を尽くし素敵なウェディングを行おうとするが、やがて、玲奈が幸せになることを望んでいない自分に気付く。

 玲奈の起こすトラブルはどれもこれも現実にありそうなものばかり。自分の理想と違うとすぐにプランを変えてくれと言う玲奈だが、一生に一度の結婚式だと思えば良いものにしたいのは当たり前、完ぺきにしたいならいつもより細かく口出ししてしまうのも当然のことだろう。

 ウェディングプランナーは花嫁の理想を聞き出し形にする仕事。一見、きらびやかに見える職業だが、一生に一度の晴れの日を演出するのだから責任は重い。山井と玲奈の関係が後々どうなっていくかは本作品を読んでもらえばわかるが、山井が玲奈の結婚式を素晴らしいものに仕上げてゆく過程はプロとしての意識の高さを感じさせる。本書を読めば結婚式を挙げる際に一番気に掛けるべきはウェディングプランナーと自分との相性のような気がする。どんなにお金をかけ、素晴らしい式場を予約してもウェディングプランナーが自分の理想を理解してくれないと結婚式も満足のいくようなものにはならないだろう。

 今後、結婚を予定している人、いつかはしたいと思っている人は、ぜひ読んでいただいて自分の結婚式の参考にしてもらいたい。ウェディングプランナーの大切さが理解できるのではないだろうか。

文=舟崎泉美

ダ・ヴィンチニュース

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