「これって消費税還元セール?」―eBookJapan、消費税率引き上げに伴い価格差を抑え販売へ

ダ・ヴィンチニュース / 2014年3月11日 11時40分

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(グラフ)消費税率の引き上げに伴うeBookJapanの対応

 イーブックイニシアティブジャパンは3月4日、電子書店「eBookJapan」で消費税率の引き上げに伴う対応を発表した(【重要なお知らせ】消費税率の引き上げに伴う当社の対応:電子書籍・コミックはeBookJapan)※1。同社が提供する商品・サービスなどにかかる消費税率は4月1日0時より8%となり、消費税額の計算がこれまでの四捨五入方式から、切り捨て方式に変更される。

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 注目されるのはほとんどの電子書籍において、「消費税を納めていない書店」の価格に税込み価格を合わせるとしている点だ。これまでは販売サイトの多くのページにおいて「税込価格」にて表示していたが、4月1日0時以降は税別価格での表示に変更するとしている。税額および税込金額は、購入内容確認画面において税別価格とともに確認できる。

 実はアマゾンのKindleや楽天Koboなど国外から販売される電子書籍には、消費税が課税されていない。(Amazon.co.jp ヘルプ:消費税)※2。

 現状では同じ本でも国内勢との価格差が生じているが、増税後はその差が更に大きくなる。今回の施策はそれに対抗したものと言えるだろう。

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 こういった価格表示が適法かどうかという点も気になるポイントだ。「消費税転嫁対策特別措置法」によれば、「取引の相手方が負担すべき消費税に相当する額の全部又は一部を対価の額から減ずる旨の表示であって消費税との関連を明示」する表示を禁止している(8条の2項)からだ。消費税還元セールのように「消費税分を値引きします」とうたった表示はこの法律によって禁止されている。

 この点について監督官庁の消費者庁に確認したところ、「問題ない」という回答だった。この法律で禁止されているのは「消費税分を値引きする」と「明確に」表示した場合に限られているという訳だ。たしかに今回の発表をみても「値引き」という言葉は一切使われていない。

 税込価格が、「消費税を納めていない書店」と同額になることによって、図の通り粗利益は小さくなってしまう。そしてこの部分は仕入値に転嫁することもできない。同じく特措法の3条で禁止された行為(買いたたき)になるからだ。eBookJapanがいつまでこの処置を続けるかは不明だが、文字通り身を削っての対抗策ということになる。

 この価格差問題は昨年から、ヤフージャパン、紀伊國屋書店など国内事業者からも是正を求める声が上がっており、政府も検討をはじめている。10%への更なる税率アップも予定される中、どのように公正な競争を行える環境を整備していくのか、議論が必要なテーマだ。

文=まつもとあつし

(※1) http://www.ebookjapan.jp/ebj/information/20140303_tax.asp
(※2) http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=642972

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