飲食業界は偽装のオンパレード!? 辛口グルメライターが現在も続く飲食店の欺瞞を暴く

ダ・ヴィンチニュース / 2014年3月21日 9時20分

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『堕落のグルメ ヨイショする客、舞い上がるシェフ』(友里征耶/KADOKAWA 角川マガジンズ)

年末、日本中を騒がせた食品偽装。伊勢エビやオマール海老などの高級食材偽装から、絞り立てフレッシュジュースのはずがストレートパックジュースだったなど、次々と新たな食材がやり玉にあがり、高級ホテルやレストラン、デパートまでが謝罪を重ね、連日ニュースをにぎわせた。ついには「森の木こり風パスタでは意味がわからん!」など、言葉狩りに近い集団ヒステリーのような騒ぎにまで発展し、「もう外食は信じられない!」なんて思ったもの。

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 しかし、気がついてみれば、年が明けたらほとんど話題にのぼらなくなっている。そこはシンプルというか能天気に「さぞや業界のみなさんも反省して、自浄努力した結果なのだろう」ってことにしたいところだが、どうもそんな考えは大甘らしい。ええ、どういうこと?

 「飲食店をやっている人なんていい加減なんですよ。偽装ですが、こんなの皆やっています。100%に近いと言い切れますね」とは、先頃出版された辛口グルメライター友里征耶氏による『堕落のグルメ ヨイショする客、舞い上がるシェフ』(KADOKAWA 角川マガジンズ)で紹介されている超一流料理人による衝撃的な発言だ。おそらく食品偽装が問題化するまで、こうした発言が業界内部から飛び出すとも思われないので、この告白は事件を受けてのものだろう。口調から察するに、問題は現在進行形のにおいがプンプン…(著者の友里氏は「お前はどうなんだ」との疑問も沸いたというが、まったく同感だ)。

 少しでも客をひきつけたい店にとっては、客に受ける高級食材を売り物にしたいのは当然のこと。だが、本当の高級食材は数に限りがあってそうそう出回っているものではなく、ましてやそれをリーズナブルに大量に提供するのは非常に困難なことだという。とはいえ、実際にはそれを実現しているチェーンの繁盛店もあるわけで、そこには当然それなりのカラクリがあるらしい。

 たとえばオマール海老の場合、高額な「ブルターニュ産」ではなく廉価な「インド産」を使っても「高級食材」のイメージは保てるわけで、そうした客の期待値を逆手にとった飲食店の実態を、友里氏は「高級偽装」として糾弾する。この他にも「予約困難偽装(予約をワザと取れにくくすることで、人気店だと客に思わせる)や「天然偽装」や「産地偽装」のほか、業者を利用してのステマや癒着グルメライターによる好評価なども偽装といえば偽装。どうやら飲食業界は偽装のオンパレード状態のようなのだ。

 ちなみに著者の友里氏は、常に自腹飯を基本に歯に衣着せぬ批評で知られ、時には飲食店を敵に回し、脅迫や出入り禁止も経験済みという猛者だけに、その視点は鋭くクール。客と飲食店側がある種の「馴れ合い」になって作り出す飲食業界の悪弊をさらし、業界の未来を作るためにこの本を書いたというが、時折沸々とした怒りをにじませての内部事情の告発は実にリアルで信憑性もある。「偽装や過大パフォーマンスは、飲食店の生き残り策(差別化)として“必要悪”と考えましょう」と友里氏は言う。たしかに、いちいち気にしていたら外食なんてできないのかもしれないが、あなたはこの「必要悪」を受け入れることができるだろうか。

文=荒井理恵

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