ベストセラー作家、ミッチ・アルボム待望の新作『時の番人』──人生という砂時計の進め方

ダ・ヴィンチニュース / 2014年5月23日 7時20分

写真

『時の番人』(ミッチ・アルボム:著、甲斐理恵子:訳/静山社)

 『モリー先生との火曜日』、『天国の五人』、『もう一日』などの著者・劇作家で、世界中で3000万冊以上を売り上げるベストセラー作家のミッチ・アルボム。その待望の新作『時の番人』が「ハリー・ポッター」シリーズでおなじみの静山社より発売された。同社編集者、植村志保理さんに、本書の読みどころや著者の魅力などを聞いた。

『時の番人』はどんな人に効くのか?

■アルボム作品が欧米で続々とテレビドラマ化される理由

「ミッチ・アルボムのデビュー作にして出世作となった『モリー先生との火曜日』は、死期の迫った大学時代の恩師モリー先生から学んだ、“人生をいかに生きるか”という教訓を綴った作品でした。この作品以来、アルボムは一貫して“生と死”を作品の根底を流れるテーマにしているのです」。

 と語るのは『時の番人』の担当編集者、静山社の植村志保理さんだ。

「アルボム作品の魅力はなんといっても、老若男女すべての人にとって普遍的なテーマを描くこと。本国アメリカでは、作品のほとんどがテレビドラマ化されるほどアルボム作品は、幅広い年齢層に支持されています」。


■古代人ドールが生み出した“時間”と現代人のつながり

 そんなアルボムは新作『時の番人』において、“生と死”という定番テーマに加え“時間”という新たなモチーフを登場させた。

「今回のメインテーマである“時間”もまた、すべての人にとって関わりのあるもの。この作品を機に、時について考えてみることは人生にとって有意義なことだと思います。
キャスト構成はとてもシンプルで、主人公ドール、女子高生(サラ)、老人紳士(ヴィクター)の3名の人生を中心に描いた小説です。主人公のドールは古代人ですが、推定30代の妻子持ち男性で、人類で初めて時をカウントし始めた人物として描かれます。ドールが生きた時代は“バベルの塔”が建造されていた時代で、少なくとも6000年前くらいです。そのドールが好奇心から時をカウントし、原始的な時計を考案します。そして生まれた“時間”という概念が、現代人にどんな影響を与えたかを、現代を生きる女子高生サラとお金持ちの老人男性ヴィクターの生き様を通して描かれていきます」。


■本作でとても重要な意味を持つ「洞窟シーン」

 旧約聖書に登場する「バベルの塔」とは、天に住む神への挑戦という人間の慢心・野心の象徴だが、時をカウントしたドールの好奇心も、神にとっては許しがたいものだったようだ。小説の中でドールには罰として『時の番人』の役目と“永遠の時間”が与えられ、現代にあらわれるまでの6000年を、ドールはじっと洞窟の中で過ごすことになる。
編集者の植村さんが「とても好きな描写です」と言う洞窟でのシーンだ。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
ダ・ヴィンチニュース

トピックスRSS

ランキング