「で、結局何が言いたいの?」と突っ込まれないための会話術

ダ・ヴィンチニュース / 2014年5月30日 7時20分

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『「で、結局何が言いたいの?」と言われない話し方』(金子敦子/日本実業出版社)

 上司への進捗報告や、定例会議で新規提案をするときなどは、誰でも「できるだけうまく伝えたい」と心密かに気合いが入るもの。それなのに「うーん。話がよく見えないよ」「で、結局は何が言いたいの?」と、いらだつ周囲からキビシイ言葉を浴びせられ、頑張る心がポキッと折れた経験はないだろうか。

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 産業能率大学が20代から50代のビジネスパーソン337人を対象に行った調査(2011年)によれば、社会人の88.4%が「仕事で自分の考えがうまく伝わらないことがある」と回答している。つまりキャリアのあるなしに関係なく、社会人の大半が「言いたいことをうまく伝えられなかった」苦い経験をもっているのだ。

 そんな悩めるビジネスパーソンにおすすめなのが、タイトルもズバリそのもの、『「で、結局何が言いたいの?」と言われない話し方』(金子敦子/日本実業出版社)だ。コンサルタントやアナリストとしての豊富な経験をもつ著者が「成果を出すコミュニケーション」の方法を実践的にレクチャーしてくれている。

ステップ1)
ビジネスにおけるコミュニケーションには、まず3つのおさえておきたいポイントがある。

1、コミュニケーションにはすべて「目的」がある
伝えたいことを意識せずにいきなり話しだしてしまうと、目的(ゴール)のない迷走トークに陥り、相手を苛立たせる。

2、出発点はあくまで「受け手」
円滑なコミュニケーションは、相手の感情や空気を読むことから。会話はあくまで「受け手」を意識しながら展開する。

3、「コスト」を意識する
多忙な上司にだらだらと相談するのは、時間泥棒。コミュニケーションが仕事の成果につながることを意識する。

 と、ここまではコミュニケーションに大切な「原理原則」編だ。

ステップ2)
誤解なく、確実に伝える話し方の構成の基本スタイルとは、「主張(提案)」+「根拠2、3点」である。

【主張】「当社は欧州ブランド品を10%値上げすべきです」
【根拠】なぜならば、
  1)円安ユーロ高で仕入れ値が上がっている
  2)円安ユーロ高による値上げは顧客の理解が得られやすいと思われるから

 さらにビジネスで意思決定に関わるような場面では、「事実」と、事実に基づいた妥当な「意見」は、分けて伝える必要があるという。
 ちなみに先に例にあげた「主張」は意見で、「根拠」は事実である。根拠として引き合いに出す情報の出典や出所なども明らかにすると、より説得力が増す。

ステップ3)
「何が言いたいの?」と突っ込まれないための具体的な注意点とは。
・主語と動詞をはっきりさせる
・あいまいになる代名詞はできるだけ使わない
・大切なことは短く伝える
・関連の低い話題は削る
・欲張らない    etc.

 最後に応用編として打ち合わせや会議における「場面編」をもうけ、それらしく伝わる話し方の知恵を微に入り細にわたって授けてくれた著者は、あとがき部分でこうも語る。

「ただし、お互いを完璧に理解することなど、ありません」

 そうなのだ。相手のことがわからないのはお互いさまで、ときには違和感を覚えながらも、相手への理解を深めようと努力する姿勢こそが大切であり、それが「礼儀」という形で人間関係を良好にしてゆく。

 自分ではなく、相手を主体においたコミュニケーションや話しの伝え方を考えてみると、おのずと答えが出てきそうだ。

文=タニハタマユミ

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