自分の不幸もちっぽけに見える!? 不幸少女の不幸っぷりがすごい

ダ・ヴィンチニュース / 2014年6月2日 7時20分

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『あんハピ♪(2)』(琴慈/芳文社)

 目の前で電車が発車してしまった。急いでいるのに、赤信号で進めない。好きな人からお誘いがあったのに、用事で行けなかった。みなさんも、普段生活しているとこんなふうに「あー、今日はツイてないな」と感じることがあるのではないか。しかし、5月12日に2巻が発売された『あんハピ♪』(琴慈/芳文社)に登場する女子高生たちは、こういった不幸がちっぽけに思えるくらい、ツイていないのだ。この作品では、不幸な生徒たちだけが集められたクラスが登場し、そこで彼女たちは幸せになるために奮闘する。

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 まず1人目は、巻き込まれ型不憫タイプの雲雀丘瑠璃。入学初日から、登校中に橋から落ちそうになっている女の子と子犬を見つけ、それを助けているうちに遅刻ギリギリでダッシュする羽目になる。また、幸福度を鍛えるための授業ですごろくをするのだが、そこでは衣装ロシアンルーレットというマスに止まる。そして、考えなしにカードをめくろうとするチームメイトを阻止しようと手を伸ばし、自らバニーガールのカードを落としてしまう。結果的に、自分がバニーガールの衣装を着てクラスメイトからジロジロ見られるという辱めを受けることになるのだ。それでも、彼女は怒るわけでもなく、仕方ないと受け入れる。

 そして、2人目は不健康なメガネっ娘の久米川牡丹。彼女は、体力測定の立ち幅跳びで足を捻挫、ボール投げでは肩を脱臼する。自転車に乗ると、こけて毎日骨にヒビが増えていくし、誰かと握手しただけでも指の骨にヒビが入るほどの虚弱体質なのだ。山登りも10分でバテるし、疲れがピークに達するとそのまま倒れて爆睡してしまう。医者の娘なので応急処置は得意だが、「ほぼ自分に施すのみ」という宝の持ち腐れ状態なのだ。それに、自分に対してはかなりネガティブで、「人間のクズ」だとか「性根の腐ったゲスい人間」と自虐を言う。ただ、これほど病弱でも、自虐を言っているときですら、彼女は笑顔を絶やさない。

 でも、そんな彼女たちよりもツキがないのは、予想外の不幸を引き起こすはなここと花小泉杏だ。はじめに、先生がみんなの机の中に数字を書いた紙を入れ、数が少ない方がラッキーという運試しをすると、はなこは40人のクラスで最下位の40番を引くだけでなく、インクが滲んで「49(死苦)」という不吉な数字にしてしまう。また、彼女が自動販売機でジュースを買うと、いつも「何が出てくるかわからない」そう。だから、毎回当たるように念じながらボタンを押すのだが、自動販売機のラインナップがゲテモノばかりなら、大変なことになる。そして、彼女は特に水に関する運がないようで、犬に突撃されて買ったばかりのジュースをこぼしたり、側溝のふたが割れて落ち、花屋には水をかけられ、清掃業者のバケツの水も頭上から降ってきたりする。それに、待ち合わせの3時間前に家を出ても、近くの川に落ち、田んぼに落ち、マンホールに落ち、その度自宅まで着替えに帰って遅刻。こんなふうに、まさにありえないほどの不幸を背負っているのに、まったくその自覚はなく、むしろ「私はすっごくついてるよ!」と言っているのだ。

 ほかにも、極度の方向音痴で通学に3時間以上かかり、下校の際は下手すると7時間彷徨うこともあるという子や、女性やメスにやたらとモテるという特異体質を持った子など、さまざまなツイてない生徒が登場する。しかし、彼女たちは誰がどう見てもツイてないこんな状況でも、常に笑顔で、自分が不幸だなんてこれっぽっちも思っていないのだ。そんな彼女たちを見ていると、自分の不幸も笑って乗り越えられる気になってくるかもしれない。

文=小里樹

ダ・ヴィンチニュース

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