音尾琢真「父親と一緒に祖父の面影を辿る旅に出る。それが今の一番の夢なんです」

ダ・ヴィンチニュース / 2014年6月8日 7時20分

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『深夜特急〈1〉香港・マカオ』(沢木耕太郎/新潮社)

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、舞台『ノケモノノケモノ』に出演中の音尾琢真さん。「『深夜特急』のような旅をしてみたい!」と話す彼が、今、密かに企んでいる旅の計画とは――?

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 今回、音尾さんが推薦本に選んでくれたのは、沢木耕太郎の『深夜特急』。
 この本の中で描かれているのは、今からおよそ40年前の世界だ。

「当時から比べると世界情勢も大きく変わってきましたよね。ですから、もし今、同じ旅をしたら、どんな見え方になるのか、すごく気になります。誰か代わりに挑戦して本にしてくれないかなと、勝手にそんな期待をしています(笑)」

 どうせなら、ご自身で体験してみては? と話を振ってみたが、すかさず「僕はもう、さすがにムリ!」と笑う。「だって、安宿よりも、落ち着いてグッスリと眠れるホテルを選んじゃうもん(笑)」。

 しかし、その音尾さんには今、心に秘めた旅の計画がある。それは父親とガダルカナル島に行くという夢だ。

「実は、父の父、つまり僕の祖父がガダルカナル島で戦死しているんです。僕の父が生まれて間もないころですから、父も祖父の顔を見たことがないんですよね。当時の戦記はわずかながら残っていますけど、それだけでは分からないことが多くて。だから二人で現地に行って、祖父が最期にいた土地の景色を見たり、空気だけでも感じてみたいんです」

 こうした思いに駆られたのには、ちょっとしたキッカケがあった。

「この歳になると、自分がいかに父親に似ているかということに気づくことがあるんですよね。性格も考え方も、意外なほどそっくりなところが多くて。それに気づいてからは、次に、父親や祖父がどんなものを見て育ってきたのかを知りたくなったんです。とは言え、闇雲に質問してもきっと面倒臭がって答えてくれないでしょうから、一緒に旅をすることで、父の口からこぼれ出る昔話を拾っていきたいなと思っているんです」

「旅の途中で、きっとケンカしちゃうんだろうな……(笑)」と音尾さん。

「でも、そのあとで少しずつ互いのいろんな面を発見し、理解しあって、最終的には二人で男泣きしちゃいそう(笑)。で、気づいたら、親子の関係とは別に、男同士の絆が生まれているかもしれないし。そんな親子の旅をしてみたいですね。もし無事に終えることができたら、必ず本にしたいと思っていますので、そのときは『ダ・ヴィンチ』さんも力を貸してくださいね(笑)!」

取材・文=倉田モトキ

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