TSUTAYA図書館を誕生させた、佐賀県武雄市・樋渡市長の行政改革物語

ダ・ヴィンチニュース / 2014年6月10日 7時20分

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『沸騰! 図書館 100万人が訪れた驚きのハコモノ』(樋渡啓祐/KADOKAWA 角川書店)

 「なぜ、図書館が年間95日も休み、なぜ、図書館が夕方5時には閉まるのか、また、なぜ、誰も来やしないレプリカだらけの歴史資料館を放置しておくのか、これって、全国3000以上ある図書館、そう皆さんのご自宅、ご勤務先近くの図書館は大なり小なり当てはまるはず」と『沸騰! 図書館 100万人が訪れた驚きのハコモノ』(樋渡啓祐/KADOKAWA 角川書店)の冒頭にあります。

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 「閉架式の本を取り出すことを頼むと20分待ちは当たり前」、「無愛想な職員」というとってもダメな図書館を、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のトップに自らお願いにいって、指定管理制度を利用し随意契約で民間に委託して図書館変革を起こした樋渡市長の自書。

 「この本は図書館の専門家の皆さんとよりも、真面目に税金を支払っておられる皆さん、日常生活の中で、図書館を始めとする公共施設・公共空間をお使いになっている皆さんにぜひ手に取ってほしいと思っています。そして、税金に見合う公共施設になっているかどうか、考えてみてほしい。提供者目線ではなく利用者目線になっているか、など」とこの本を書いた想いを語っていらっしゃいます。

 これから地方自治体の税収がどんどん少なくなっていく中で、安く良い行政サービスが求められているのに、変わろうとしない公務員や地方自治体。その根底には公務員だから一生大丈夫だしクビにもならないという危機感のなさがあります。しかし、そんなことを続けていると、地方の行政コストがかさみ、日本全体が破たんしてしまいます。人口問題に端を発する高齢化などの諸問題は根が深い。今、手を打たなければ遅いのです。

 「帯にありますが、“すごい図書館”の意味は、実際にCCCに指定管理者をお願いし、リニューアルのみで、5月10日まで確実に100万人が訪れる図書館(※)、ということ。その成功と失敗、そして何より挑戦の軌跡を皆さんにお見せしたいと思います」とブログで語る樋渡市長。総務省のキャリア官僚から市長に転身。病院を民間に移譲、Facebookでの市政情報発信、官民一体教育など次々と佐賀県武雄市から新しい改革の波を起こしています。その想いと手腕が感じ取れる本です。

(※)武雄市図書館は、2013年4月に新装開館。翌年の2014年5月5日に来場者数100万人を突破した。

文=横田浩一

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