W杯前に強化したいサッカー「観戦力」! 本田の、遠藤の、香川の、何を観ればいいのか?

ダ・ヴィンチニュース / 2014年6月12日 7時20分

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『サッカー「観戦力」が高まる』(清水英斗/東邦出版)

 W杯が開催される度に仲間みんなで観戦してどれだけ盛り上がったとしても、どうも自分だけが損をしている気がしていてならない。「抜いた」「抜かれた」とか「ゴール」とかはわかるし、誰もが盛り上がることができる。だが、サッカー観戦素人がボールの動きを目で追うだけの間に、サッカー好きはその試合からあらゆる情報を得ているのではないだろうか。せっかくブラジルW杯の時期なのだから、観戦するならば、誰よりも楽しめるようになりたい。誰よりも試合から多くのことを感じ取って、選手達とともに感動を共有したい。

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 清水英斗氏著『サッカー「観戦力」が高まる』(東邦出版)には、サッカーをより楽しく観戦するためのあらゆる知識が詰め込まれている。清水氏にいわせれば、「なぜこの選手はそこにパスを出したのか」「なぜあの選手はドリブルが上手いのか」。選手の様々な行動に疑問を持つことで、人は試合に隠された選手達の戦略を見抜く「眼力」が養われるようになるのだ。様々な疑問をこの本で解消させながらサッカーを観れば、今まで以上に試合に熱狂できるに違いない。

 サッカーを楽しむには、何よりもまず選手達の個性を知ることが必要だ。清水氏によれば、サッカーは将棋に似ている。サッカーのプレイヤーは将棋の駒同様にひとりひとりに長所と短所があり、できる動きとできない動きがあるのだ。たとえば、レアル・マドリードの絶対エース、今大会“ナンバーワンプレーヤー”と称されるポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドの長所は縦にグイグイと突破すること。だが、一方で、彼は守備に汗をかかないという短所もある。清水は、ロナウドを縦に強くて後ろに下がらない「香車」のような選手だと表現する。このような個性をベースとして、棋士(監督)は相手の出方を見ながら、組織が最高のパフォーマンスを発揮するように戦略を組み立てているのだ。

 だが、実際のサッカーでは選手は指示待ちの「駒」ではなく、判断を伴った「人」でなくてはならない。ひとりひとりが監督の指示を待たず、ゲームの流れの中で正しいプレーを選択する状況判断を持つこと。これは、棋士ひとりがすべてを動かせる将棋と、11人それぞれが意志を持ってチーム作業をする大きな違いといえると清水氏はいう。サッカーにおける自主的な判断は重要な要素となってくるのだ。もし、周りの状況判断のスピードが遅い場合は、ボールを持っている選手がキープしながら、味方がポジションを整えるのを待たなくてはならない。これが、いわゆる「タメを作る」というプレーだが、本田圭祐はこれを得意とするタイプ。たとえば、2010年の南アフリカW杯でもカタールで行われた11年アジアカップでも、本田の「タメを作る」プレーは味方に時間を与えていた。わかりやすいシーンは、アジアカップ準決勝の韓国戦だ。前半36分、香川真司からパスを受けた本田はドリブルで持ち込み、韓国の選手を体でブロックして引きずりながら、長友佑都がオーバーラップする時間を作ってスルーパスを出して、日本の得点を導き出した。プレッシャーを掛けられても「タメを作れる」部分からも本田のフィジカルの強さが伺い知れる。

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