アーティストはやっぱり「変人」!? ポップにユーモラスに芸術家の人生を解体する新シリーズ登場!

ダ・ヴィンチニュース / 2014年6月23日 7時20分

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『僕はウォーホル (芸術家たちの素顔)』(キャサリン・イングラム:著、アンドリュー・レイ:イラスト、岩崎亜矢:監訳、安納令奈:翻訳)

 ポップアートのアンディ・ウォーホル、シュルレアリスムのサルヴァドール・ダリに抽象表現主義のジャクソン・ポロック…。いずれも20世紀を代表するアートのトップランナーたちだが、彼らの「作品」は知っていても、彼らの「人生」は、一体どのくらいの人が知っているだろう? このほど3冊同時に登場した「芸術家の素顔」シリーズ(パイ・インターナショナル)は、サブカル好きから特に人気の高い彼らについて、その人生や作品をアート初心者にもわかりやすく解体して紹介してくれる新しいタイプのヴィジュアルブックだ。

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 まっすぐにこちらを見つめるイラストの表紙が印象的なこのシリーズ、なんといってもポップなイラストレーションと、わかりやすい文章が大きな魅力となっている。イラストは欧米の第一線で活躍する人気イラストレーターが、文章はイギリス在住でクリスティーズやテート・ギャラリーなどで講座を持つ美術史家によるものと信頼感抜群。さらに、翻訳監修を「サントリーウーロン茶」や「JINS」などの広告を手掛けた注目のコピーライター・岩崎亜矢さんが務めているのもポイントだろう。「言葉のプロ」による監修とあって、翻訳作品にありがちなまわりくどさのない読みやすい文章に仕上がっている。

 それにしても、「アーティストは変人」を地でいく彼らだが、その様は三人三様(ウォーホルは超ミーハー、ダリは暴君、ポロックはアル中…)。コミック調の親しみのあるイラストの力と「素」を感じさせるエピソードを中心に展開しているためか、このシリーズからはそうした“変人ぶり”がユーモラスに伝わってくる。教養系美術書とはひと味違い、アーティスト特有の「とんでもなさ」が生き生きと際立ち、ある種の「人間くささ」に感じさせてくれる。なんだか変人もキュートに思えるほど(たぶん、近くにいたらすごく苦労しそうだが…)!?

 もちろん画家本人の作品もエピソードに合わせて豊富に紹介されているのでご安心を。しかも彼らの人生を追いながら、ウォーホールでいえば、「マリリン・モンロー」や「バナナ」「自画像」ほか、節目の作品が効果的に登場するので、「なぜ、その表現をしたのか?」という根源的な作品理解も深まるはずだ。

 なお、カラフルでポップなヴィジュアルのせいか、何気なく開いたページからでも気軽に世界に入り込めるのも、このシリーズの大きな特徴だろう。読み物として楽しめるうえに、インテリア的おしゃれ感があるのもうれしいところ。サブカル好きの誰か相手なら、センスをアピールする絶好のプレゼントアイテムになるかもしれない。
 
 秋には、新刊として具象絵画にこだわり、人間の抱える不安を描き続けた20世紀のアイルランド出身の画家、フランシス・ベーコンも登場予定。今後もどんな芸術家の素顔が見られるのか、シリーズの展開に要注目!  

文=荒井理恵

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