日本発のラノベからハリウッドへ 『All You Need Is Kill』

ダ・ヴィンチニュース / 2014年6月24日 16時30分

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電子書籍版のAll You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 日本発のライトノベルを原作としたハリウッド映画『All You Need Is Kill』がまもなく日本で公開される。

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 主演はあのトム・クルーズ、監督は『ボーン・アイデンティティー』のダグ・リーマン、アメリカでは一足早く2014年6月6日より公開され、全世界ですでに20か国以上で上映され、大ヒットを記録している注目作品。

 これまでライトノベルのメディアミックスといえば、コミカライズを経て、日本でのアニメ化が一般的だったが、このAll You Need Is Killは、原作(スーパーダッシュ文庫)が桜坂洋、漫画版(ヤングジャンプ)は竹内良輔が構成、『バクマン。』の小畑健が作画を担当とここまでは普通のメディア展開のように見えるが、さらにそこからアニメ化をすっ飛ばして、アメリカのビズメディア(北アメリカにおける日本の漫画・アニメの翻訳出版と日本アニメの映像販売を行う企業)の翻訳SFレーベル「Haikasoru」から英訳版が刊行され、ワーナー・ブラザーズが映画化権を獲得した、ある意味、大出世作品だ。

 本作はSF作家の大家として知られる「筒井康隆」らに絶賛され、日本では7月4日より公開される予定だが、ストーリーはいたってシンプル、我々に馴染みの深いループものだ。
特に同じ時間を何度もループする作品で思い出されるのは、涼宮ハルヒシリーズの『涼宮ハルヒの暴走』にあるエンドレスエイトや『魔法少女まどか☆マギカ』、正体不明の地球外生命体からの侵略は、いま放映中の『ブラック・ブレット』のガストレアや『極黒のブリュンヒルデ』のドラシルに近く、ライトノベルだけなく、SFのど真ん中直球の王道ストーリーとも言える。よって、普段映画館に足を運ぶ機会の少ない読者や、ハリウッド映画にあまり興味がなくとも、馴染みのあるテーマを扱っていることもあり、気軽に楽しめる作品だろう。

 昨今、ライトノベルのアニメ化が当たり前のように行われ、一部では刊行まもない作品のアニメ化がされ始めている現状から、原作が枯渇してのでは? との指摘もあるようだが、日本人の豊かな想像力から生み出されるエンターテインメント作品は、作家やクリエーターの情熱が枯渇しない限り、今後も新しい物語が次々と誕生するだろう。そして、それは日本だけに留まらず、国境を越え、ローカライズされ、さらに映像という新しい魅力を備えた新しい物語として、世界中で受けいれられてゆくのではと予測される。

 『All You Need Is Kill』のような世界へ飛び出す作品が日本から発信されることを誇りに、ますます広がるライトノベルに注目が集まることを期待したい。

文=橋本商店

ダ・ヴィンチニュース

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