「連載→単行本」だけじゃない! マンガ家の新しい働き方「マンガデザイナー」とは

ダ・ヴィンチニュース / 2014年7月2日 7時20分

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『マンガデザインで「笑顔をプロデュース」』(吉良俊彦/プレジデント社)

 子どものころマンガ家に憧れたという人も多いのではないだろうか?

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 持ち込みや公募など、マンガ家を目指す道はいろいろあるけれど、選ばれるのは僅か一部の人々。夢を追いかけ、人生を棒に振ってしまうのなら堅実に就職した方が良いと諦めた人も多いのでは。

 そんなマンガ家への道を考えたことのある人にオススメしたいのは「マンガデザイナー」という新しい働き方。来年からは一部の専門学校でも、マンガデザイナーを育成するコースが開催される。

 『マンガデザインで「笑顔をプロデュース」』(吉良俊彦/プレジデント社)から、マンガデザイナーについて探ってみたい。

 マンガデザインとは簡単に言うとマンガの手法をグラフィックデザインに取り入れたもの。広告やポスターなどのグラフィックデザインをマンガに置き換え、それを作る人をマンガデザイナーと言う。

 これまでもマンガの手法を取り入れた広告はあった。しかし、商品や情報を表現することが優先されストーリー性や世界観がなくクオリティは低かった。また、有名なマンガのキャラクターを広告に使用することもあったが、キャラクターに重きがいくため商品自体の印象は残らない。キャラクターがいなくなった時に商品に興味を持つ人がいないなどの問題があった。

 これまでのマンガ広告とキャラクター広告に間に立つのがマンガデザインだ。マンガを描けるということは絵の表現技術、ストーリーを作る能力、文章力、コマ割りなどの構成力などさまざまな能力を持っている。そこに広告の知識を付けることで、活躍の場が広がる。

 マンガデザイナーのこれまでの事例を一部紹介しよう。

 さまざまなイベントで配られているノベルティ。しかし、ありきたりのものだと使わないだけではなく、捨ててしまう人も多い。

 そこで考えたのは来場した人の似顔絵を描くこと。似せる技術を重視せずその人ならではの世界観をマンガにすることで、普通の似顔絵とは違う楽しみを表現する。ファッション関連のイベントならば、ブランドの新作を着ている似顔絵を描くなどイベントに絡めることも忘れない。

 似顔絵の描かれた色紙には企業名、ロゴ、自分の名前、日付を入れ、オリジナルなものにする。自分の似顔絵を無下に扱う人もおらず、記念に持っていてもらえる。ノベルティを多く作り過ぎることや、足りないこともなくコストもかからない。

 似顔絵ということでFacebookやTwitterにアップしたり、アイコンにしたりする人も出てくる。企業名も入っているので宣伝効果も抜群だ。

 この一例だけ見ても、ビジネスとして大いにありえるモデルで、マンガデザイナーという職業が食べていける職業だとわかる。また、マンガを描いてもらった人々の満足度からもやりがいのある職業と言えるのではないか。実際に似顔絵は多くの来場者に喜んでもらえた。

 本書にはマンガデザインを利用したさまざまな事例が書かれている。マンガデザイナーという職業を知ると単行本を出すことだけが夢ではなく、広告業でマンガを描くことでもさまざまな人の心を動かせることにと気付く。マンガ家志望者にとって魅力的な仕事であることは間違いないだろう。

文=舟崎泉美

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