波瀾万丈な半生! “ヤマザキマリ流”女の生き方とは?【ブックレビュー『とらわれない生き方 悩める日本人女性のための指南書』ヤマザキマリ】

ダ・ヴィンチニュース / 2014年8月14日 5時50分

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『とらわれない生き方 悩める日本人女性のための指南書』(ヤマザキマリ/KADOKAWA メディアファクトリー)

 「地球の強大さに比べたら、お前の悩みなんてちっぽけだ」という台詞はごもっともだが、そんな口先だけの言葉を吐く者がこの世界の何を知っているというのだろうか。人から受けた悩み相談に対して、自分は何の助言もできないからこそ、恰好つけた言葉で聞き流そうとしているだけに違いない。本当に人生経験豊富な人は、そんな着飾った言葉で人をあしらう必要などないのだ。彼らの経験談は、ただそれだけで悩める者を明るく照らし出し、人生の指針として進むべき道を教えてくれる。

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 『とらわれない生き方 悩める日本人女性のための指南書』(ヤマザキマリ/KADOKAWA メディアファクトリー)は、『テルマエ・ロマエ』で名高いヤマザキマリ氏が20代~50代まであらゆる世代の女性の悩みに答えていく人生指南書である。17歳で油絵を学びに単身イタリアに渡り、極貧生活の末、シングルマザー選択、その後別の男性と知り合い、結婚、姑問題を切り抜けたヤマザキ氏の半生は波瀾万丈。35歳で結婚したのちは、研究者であるイタリア人の夫の仕事に伴い、アラビア、ヨーロッパ、アメリカ大陸と異文化の壁を超えながら、ワールドワイドに活躍する彼女は苦労や失敗すら人生の彩りにしてしまう明るさを持っている。そんな彼女が人生に悩む女性たちに送る助言はどれも温かい。ヤマザキ氏の言葉を心に留めておけば、なんだか肩の力を抜いて、もっとしっかり前を向いて毎日を過ごせそうな気がしてくる。

 たとえば、若者から寄せられた「一生夢中になれる仕事をどうやって見つければいいのか」という質問に彼女は自身の経験から回答している。ヤマザキ氏は子どもの頃から絵を描くことを仕事にしたいと考え、17歳でイタリアへと留学するが、絵だけでは暮らせず、生活のために、チラシ配り、日本語ガイド、服屋や貴金属店などで働かざるを得なかった。この経験が「本当にやりたい仕事と、収入が多く入ってくる仕事は別だ」ということを彼女に痛感させたという。だが、「お金はお金として稼ぐ」ことをわりきって、同時に自分がやりたい絵を続けることで、ヤマザキ氏は自分のプライドを保ちながら、生活のための仕事にも頑張れた。仕事に責任は持ちながらも、どんなアルバイトも「副業」と考え、自分のすべてを投身せずに、常に夢中になれる「絵」へ情熱を傾けていたという。自分の心の中心に存在する揺るぎない自分は何を感じているのか。常にその声を聞き続け、「いろんな職業につきながら、自分が楽しくなるものを探し続けることが大切」だとヤマザキ氏は夢と現実との狭間で悩む女性たちにエールを送る。

「みなさん、年齢で切って考えすぎなのかもしれませんね。“何歳だから…”という年齢的な先入観に、自分の人生を照らし合わせて行動できなくなっている人が多い気がします。はっきり言って、年齢の枠なんて関係ないです。」

 経験談を披露しながら、様々な女性の悩みに答えていくヤマザキ氏の言葉に背中を押される。世界各国の様子を例としてあげたり、ラファエロなど偉人を引き合いに出したりしているのも面白いこの作品は、悩める全ての女性が読むべきバイブルだ。

文=アサトーミナミ

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