専業主婦になると生涯所得2.5億円の損失に? 「平凡な幸せ」神話が30代の老後を破滅させる

ダ・ヴィンチニュース / 2014年8月24日 5時50分

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『いわゆる「当たり前の幸せ」を愚直に追い求めてしまうと、30歳サラリーマンは、年収1000万円でも破産します。』(小屋洋一/東洋経済新報社)

 30代で年収1000万円なんて、まさに超エリート。そんな人が破産するなんて、特殊な状況じゃなきゃありえない。「普通の幸せ」なんていいながら、きっと天国のような生活をしていたからに違いない…。

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 『いわゆる「当たり前の幸せ」を愚直に追い求めてしまうと、30歳サラリーマンは、年収1000万円でも破産します。』(小屋洋一/東洋経済新報社)を手に取った時の「自分には関係ない」という予想は、序文ですでに裏切られた。驚愕の極貧未来、それはただ、現在60歳以上の親世代ではごく当たり前だった生活を送るだけで、年収1000万円以下の現役世帯のほぼすべてにやってくる、と筆者の小屋洋一は主張する。「結婚したら女性は家庭に入って専業主婦、子供は2人くらい。40くらいまでにはマイホームを買って、健康のことも心配だから保険も入って…。」こんな小市民的幸福追求が、実は膨大な無駄をはらんでおり、何の手も打たなければ、30年~40年後には貯蓄のまったくない、それこそ毎日の食事にも事欠くような悲惨な老後を呼び寄せてしまうというのだ。

 子供の教育、家の購入、保険、そして専業主婦。これらがいかに損を招くかを、さまざまな実例や図版を交えて筆者は具体的に分りやすく解説する。例えば専業主婦。平成17年度の内閣府試算によると、大卒女性の場合、子供を2人妊娠出産後、もとの会社に正社員として復帰した場合と、会社を辞め、パートやアルバイトとして働く場合とでは、なんと生涯所得で2億円以上の違いとなる。専業主婦としてまったく社会復帰しなければ、2億5千万円以上の損失となるそうだ。そう、専業主婦とは億ションを買う以上の“超”贅沢なのである。なんともったいない! 「専業主婦なんて、積極的になりたいわけじゃないけど、まあ子供も小さいし…。」などと消極的選択している場合ではないのだ。

 保険に関しても、「サラリーマンはすでに健康保険で手厚く保護されているので、医療保険に1ケ月何千円も払うなら、その分貯蓄に回していざという時に備えれば事足りる。運用商品として考えた場合これ以上効率の悪いものは世の中に存在しない。」と容赦なくばっさり。実は最近、健康保険加入を考えて、あちこちからパンフレットを取り寄せていた身にとっては、なんとも耳が痛かった。

 前作『35歳貯金ゼロなら、親のスネをかじりなさい!』(すばる舎)も本書同様そのあまりに過激なタイトルで、もしかしたらイロもの? と思われかねない小屋洋一氏のマネー論。が、実際はごく身近、しかし大きな損失を生み出しかねない物を具体的に挙げ、どこがだめか、どうしたらよいかを平易な言葉で解き明かすので、マネープラン初心者であってもついつい引き込まれて一気に読める。そして、一度きちんとマネープランを作ってみようかな、という気にさせられてしまう。(それこそ作者のねらいかも…?)子供さえ成人したら、生活はぐっと楽になって、悠々自適な毎日が待っている…。そんな未来はまさに絵に描いた餅になってしまうのか。贅沢ではないけれど人並みの生活は送られている、と漫然と満足している人にとって、最高(最悪?)の警鐘となる1冊。

文=yuyakana

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