新たな王道少女マンガ!? 不細工ヒロインに注目!

ダ・ヴィンチニュース / 2014年9月6日 5時50分

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『マーガレット』(集英社)

 コンプレックスを持ったヒロインが恋によって変わっていく──少女マンガの王道設定だが、憧れの要素も重要な少女マンガでは、主人公がたとえブス設定であっても、マドンナキャラと造形的にさほど変わらないのは無言のお約束だ。

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 そんな中、あいだ夏波の「圏外プリンセス」は、ブスヒロインの時代到来を予感させる!? 主人公は、美しい名前にそぐわないコンプレックスだらけの中3女子・目黒美人(めぐろみと)。乙女ゲームに夢中で妄想ばかりしている美人が、クラスメイトの国松に恋をしてから、自分を変えようと決意し前進していく物語だ。もちろん、これまでの少女マンガに、造形的にブスなヒロインが皆無だったわけではない。しかし、本作はイケてない中学生女子の実情が赤裸々すぎて異色だ。例えば、国松に「おはよう」と挨拶するのに、どう声をかけたらストーカーっぽくならないかを延々と考え、痛い妄想の世界に飛びつつ、放課後を迎えてしまう。その自虐的な姿が笑えるが、美人の恋の奮闘ぶりが共感できて、王道少女マンガの枠から外れない。「この恋一体どうなるのだろう?」と純粋に応援してしまいたくなるはずだ。

 『俺物語!!』のヒットなどでも感じるが、必ずしも可愛いorかっこいいキャラ造形にこだわらず、笑いつつも感情移入できる少女マンガの快作が続くのは、少女マンガ読者がいかに成熟してきたかをも垣間見ることができるだろう。目黒美人の前途多難な恋の行方に期待大だ。

文=倉持佳代子/ダ・ヴィンチ10月号「出版ニュースクリップ」

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