【なぜ人は行列に並ぶのか?】自分の○○に××を感じた時、人は並びはじめる

ダ・ヴィンチニュース / 2014年10月13日 5時50分

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『行列があると、なぜ人は並んでしまうのか 儲けの心理学』(日本カウンセラー学院/永岡書店)

 大なり小なり、行列に並んだことのない人などおそらくいないだろう。かつてより、日本人は行列に並ぶのが好きだといわれている。先日も、iPhoneの新商品を求める行列が話題を集めていた。その他にも、人気メニューや限定商品を求めて並ぶ人達、そして、ディズニーランドなどのテーマパークでのアトラクションに長蛇の列を作る光景は、日常的に垣間見られる。

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 もはや古典的なテーマとなっているものの、やはり気になるのは「人はなぜそもそも行列に並ぶのか」ということである。おそらく今この瞬間にも、日本のどこかでも誰かが数分、数十分、ともすれば数時間と並んでいるかもしれない。行列という一つの現象に果たしてどのような心理が隠されているのか、その名もずばりな書籍『行列があると、なぜ人は並んでしまうのか 儲けの心理学』(日本カウンセラー学院/永岡書店)をたよりに、その謎を解き明かしてみたい。

 さて、さっそくだが想像してもらいたい。あなたはまったく見知らぬ土地で、お昼ご飯を食べるお店を探している。たまたま通りかかった先で見つけたのは、隣り合った見知らぬラーメン店だった。一方は、店内も人がひしめき長蛇の列ができているお店。もう一方は、店内にも誰一人いないラーメン店だった場合に、どちらへ入りたいと思うだろうか。

 あえて誰もいないラーメン店に入る人はもちろんいるだろうが、おそらく大半の人たちは、前者の行列ができているお店を選ぶのではないだろうか。ではなぜ、あなたは行列のできた店を選ぶのだろうか。同書では、この理由に心理学的にいう「同調行動」を挙げている。

 同調行動とは、無意識のうちに「多数者や、すでに先んじて何かをやっている人の行動に思わずならってしまうこと」を意味する心理学の用語である。同書によれば、人はまず「最初の一人にはなりたくない」という感情を、意識下で抱いているという。その理由を更に深く掘り下げると、それぞれが思う不安や怖さが見え隠れする。

 人と人との繋がりによって形成された社会では、人はおおむね誰かに判断を委ねる場面も多い。根源的に「多数派になりたい」「ほかの人と同じでありたい」「間違っていたくない」と考える傾向があるため、冒険せずにできる限り誰かと同じ行動をして安心したいという心情を抱いている。

 そのため、お客のいる店はお客を呼び、行列は行列を呼ぶことになる。この現象はまた心理学的に「行動感染」と呼ばれるが、じつは、コンビニが店内を外からも見渡せるようなつくりになっていたり、デパートの入り口付近があえて狭く作られているのも、これらの効果を狙ったものだという。

 そして、万が一行列に並んだ先で失敗したとき、人は自分の選択肢を肯定しようとしはじめる。これを心理学では「認知的不協和」と呼ぶ。例えば、先ほどのラーメン店を考えてみると、数十分並んだ挙句にまずいという場合もありえる。しかし、このとき人は「数十分も並んだのだからまずいわけがない!」と、意識の中で自然と整理しはじめる。その背景には、人は「矛盾する2つの認知があると、きわめて不快になる」という特性が潜んでいる。

 行列が行列を作る。その現象から分かるのは、私たち人間は心の中で無意識のうちに自身の判断へ不安や怖さをおぼえてるということだ。また、行列の先頭のさらにその先にいる人、すなわち「初めの一人」になった人は、ひょっとするとすごく勇気のある人といえるかもしれない。

文=カネコシュウヘイ

<記事タイトルのこたえ>
自分の判断に不安を感じた時、人は並びはじめる

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