不評続出のiPhone6に萌えまくるリンゴ信者の心理とは?

ダ・ヴィンチニュース / 2014年10月23日 5時50分

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『電脳なをさん』(唐沢なをき/エンターブレイン)

 曲がる、割れる、バグる、無意味にデカい、CMがダサい…など。発売以来、何かと評判がよろしくないiPhone6。口コミがもとでアップルの株価が下がったり、逆に前機種となるiPhone5が再注目されたりと、迷走感あふれる話題を提供している。評判を耳にして、新機種への買い替えをためらってしまったユーザーも多いはずだ。

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 しかし、その一方でこうしたネガティブな話題を楽しむユーザーも多いのが、アップル製品の面白いところ。むしろコアな“リンゴ信者”ほど、今回の騒動に対してある種のトキメキを禁じ得ないのではないだろうか? 実は筆者もその一人。すでにアップル製品とは一定の距離を置いていたにも関わらず、iPhone6の迷走感に思わず胸アツくした「オレたちのアップルが帰ってきた!」組である。

 いったい何をもって「オレたちのアップル」なのか? その本質をビビッドに描いているのが、唐沢なをき作『電脳なをさん』(エンターブレイン)。『週刊アスキー』誌(KADOKAWA アスキー・メディアワークス)で(前身となる『EYE-COM』誌から数えて)20年以上も連載が続く、PC&IT業界風刺マンガだ。往年の名作マンガや、アニメ&特撮作品ネタを巧みにサンプリングしつつ、斯界における旬の話題を笑いに転化してきたこの作品。愛蔵版(愛憎版)でその歴史を振り返ると、圧倒的にアップル関連のネタが多いことに気づかされる。

 不評なデザインのハードウェアを連発し、ブーイングを浴び続けたあの頃(IIViとかLC520あたり)。業績不振で身売りの噂が絶えなかったあの頃(パワーPC搭載機発表あたり)。そして伝説のマルチメディアプレーヤー(CD-ROM再生専用機みたいなもの)「ピピンアットマーク」の登場(からの大沈没!!)。バージョンアップするたびに“改悪”と罵倒されるOSに関しては、もはや風物詩のノリ。特にiPod発表以前のアップルは、迷走のジーニアス。笑い…おっと、話題には事欠かないドラマチック・ズンドコ・カンパニーだったのですよ。うーん、何もかも懐かしい…。

 それでもファンが離れない理由は、いかにズンドコなプロダクトでも、その根底にジョブやんとウォズやんがバロムクロス(『憎の巻』300ページ参照)でブロロローン! と作り上げた、革新性と独創性が生きているから。そして、そのズンドコを帳消しにして余りある素晴らしいプロダクトを続々と発表してくれるからに他ならない。まさに○○と××は紙一重。ズンドコと大成功を繰り返しつつ世界を変えてきた、愛憎…そして夢を感じずにいられない存在こそが「オレたちのアップル」なのである。

 曲がる、バグる、無意味にデカい?? はっはっは、何を些細な。いいから飛び込んでおしまいなさい。それこそが“Think different”をFeelする唯一の道なのだから。ウェルカムトゥ「オレたちのアップル」へ!!

<追記>
なお、本稿に感じるものがあり『憎の巻』300ページを開くと、別の意味で感じてしまう場合があります。くれぐれもご注意ください。

文=イシーブ・チャヒル

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