BL誌編集者が語る「いかがわしさのあるトキメキ」

ダ・ヴィンチニュース / 2014年10月24日 11時0分

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『on BLUE』(祥伝社)

今や当たり前のように使われている“腐女子”という言葉。一般的にはBL(ボーイズ・ラブ/男性同士の恋愛)を好む女性たちのことを指すと言われているが、彼女たちはいったいBLのどこに魅力を感じているのか。

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雑誌『ダ・ヴィンチ』で毎号連載している男4人企画「走れ! トロイカ学習帖」が一部読者からBLっぽいと指摘を受け、動揺したライター・北尾トロ。東京・池袋の乙女ロードに突撃するも、雰囲気をなんとなく掴むので精一杯。そもそも腐女子とはなんなのか。わからない以上は謙虚になって教えを乞うのが近道。同誌では素朴な疑問をぶつけに、BL専門コミック誌『on BLUE』編集部を訪ねている。

 テーブルを挟んで対峙するは同誌編集部の3人。立ち上げに関わり、普段は主に『FEEL YOUNG』を制作する、姉御格の梶川恵さんが、それぞれの“BL度”を説明してくれた。

「私と、隣にいる神成はBLも大好きですけどFEEL YOUNG系が好きでマンガ編集者になった口ですが、その向こうの小林はBL好きが高じて作る側に回った人間です。そこがはっきり違うんですね。小林は仕事抜きでアニメイトに週一で通い、イベントにも嬉々として行きますから」(梶川さん)

 ははぁ。小林さんこそが本物の腐女子であると。

「それなんですけど、腐女子って言葉は、外から見て名づけられたもので、本人たちはあまり使わないと思います」

 私は腐女子です、と言う人に会ったことがあるが、あれは外向けに、わかりやすいイメージを伝えるためなのか。

「ボーっとした言葉ですよね腐女子って。それが普及し、ボーっと広がってる感じ」

 じゃ、うかつに腐女子という言い方はしないほうが。

「いいですね(断言)。BLは女子が萌えを求めて読むものですが、北尾さんは、いかがわしさのあるトキメキ=萌えさえわかってないみたいだし」

 そこなんだ梶川さん。Kはうっすらわかるようだが、私とハラダはその感覚がつかめない。そのため、恋愛対象は男でありながら男同士の恋愛話を読んでときめいたり、男の集まりを恋愛関係に見立てて楽しむおもしろさが理解できないのである。

 古くは耽美マンガ誌『ジュネ』もあるが、BLブームのあけぼのは90年代、暗さを払しょくした『マガジン ビーボーイ』の登場にあるとされる。かれこれ20年ほどかけてファンを増やしてきたジャンルなのだ。若手の小林さんはその波の中で学生時代を過ごし、池袋に通いまくった。

「はい。高校時代から乙女ロード三昧です。でも偏っていて、池袋はそこしか知らないんです。学校では何かと誤解を招きがちなのでBL好きを隠していました。乙女ロードに行けば仲間しかいないので、楽しかったですね(笑)」(小林さん)

『on BLUE』には彼女たちの熱い思いと萌え感覚が総動員されている。そして私には読むところがない。それでいいのだ。おっさんが理解できるBLなんてBLじゃない。ここに載っているのは女性向きエロマンガではなく、萌えを燃料にして華麗に展開された、女による女のための男同士のファンタジーなんだから。

 と、腐女子への理解を深めたところで、同企画では『ダ・ヴィンチ』愛読者でもありBL好きのマンガ家・都陽子に「トロイカBL妄想」マンガを描いてもらうことに。果たしてその仕上がりとは……!?


構成・文=北尾トロ/ダ・ヴィンチ11月号「走れ! トロイカ学習帖」

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