芝浦工業大学の学生と作家が研究開発! 「ものがたりソフト」を活用した新しい小説のカタチとは?

ダ・ヴィンチニュース / 2014年11月9日 12時0分

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『僕は小説が書けない』(中村航、中田永一/KADOKAWA 角川書店)

読書が好きな人なら、一度は考えたことがあるだろう。
物語ってなんだろう? 物語を作るには、どうしたらいいの?
ヒントは、人気作家二人が合作した青春小説の中にあった。
その小説は、「物語作成支援ソフト」を活用しながら執筆されたという。
2人が執筆過程について語り合った言葉には、さらなるヒントが隠されていた。

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 恋愛小説のアンソロジーで“競作”して以来、親交を深めていた中村航と中田永一が、合作小説『僕は小説が書けない』を完成させた。高校の廃部寸前の文芸部を舞台にした、青春群像ストーリーだ。もちろん、恋愛要素もめいっぱい詰め込まれている。
実は本作、作者2人が芝浦工業大学の学生と研究開発した「ものがたりソフト」を利用して執筆された。

【中村】「僕の母校でおこなわれていた研究にまぜてもらいました。工学って文学と関係ないジャンルだと思われてるんですけど、今回お声がけした中田さんもそうですが、工学部出身の作家さんって意外と多いんですよ。そういう人たちって、方法を意識していたり、論理的な思考で物語を作ろうとしているんです。できあがったソフトはまだプロトタイプですが、簡単にいうと、小説の設計図を作る支援をするソフト。研究の過程で中田さんや学生たちとディスカッションをしながら、“自分はどんなふうに小説を書いているんだ?”“そもそも物語の面白さってなんだ?”と考えていく作業が楽しかったです」

【中田】「研究を進めていくためのサンプルとして、小説を書く前に作るプロット(物語の概要メモ)を学生さんに渡した結果、それぞれのプロットの書き方に特徴があると分かったんです。僕は、登場人物のことはあまり書かず、シーンの展開をメインに書いている。中村先生は、登場人物に関する情報をメインにしたプロットの作り方をされているんです。2人の特徴が、ソフトにも活かされていますね」

機能は大きく分けて3つある。
(1)「あらすじ」を短いセンテンスでまとめる機能、
(2)「キャラクター」のデータベースを作る機能、
(3)具体的な「シーン」を配置して保存する機能。
ソフトが投げかけてくる質問に答えることで、物語の設計図が完成する仕組みだ。その設計図作りから、二人の合作は始まった。

【中村】「僕も中田さんも二人だけで話す時は、小説が書けないという話題になることが多いんですよ。書けないっていうこと、なんで書けないのかってことに関しては、僕らが一番書けるんじゃないか(笑)。そこで〝書きあぐねている文芸部員の物語〟にしようと決めました」

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