20年ぶりとなる映画主演作で証明 安達祐実は「上手い」ではなく「すごい」

ダ・ヴィンチニュース / 2014年11月16日 5時50分

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『花宵道中』(宮木あや子/新潮社)

 知らなかった。安達祐実という女優は、こんなにも素晴らしかったんだ。映画『花宵道中』を観終えた瞬間に抱いた、率直な感想だ。

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 原作は、宮木あや子の連作短編小説。江戸の吉原で火事が出たため、遊女たちは住み慣れた土地を出て、仮住まいでの仕事を余儀なくされた。己の運命を受け入れていたはずの遊女・朝霧はそこで、心を動かす相手と出会ってしまう。ハッピーエンドなんて決して訪れることのない、悲恋の物語が幕を開ける─。

 宮木あや子は冒頭の一編『花宵道中』で、「女による女のためのR-18文学賞」を受賞しデビューを果たした。小説版はこの一編に連なる遊女たちの姿を連作形式で描いていたが、映画版は朝霧のドラマに焦点を絞っている。彼女を演じたのが、そう、安達祐実だ。オールヌードの体当たり演技もすごいが、何よりも、顔がすごい。飴玉を喜ぶ童女のような顔と、酸いも甘いも噛み分けた花おいらん魁のセンターとしての顔。2つの顔を両立させることができたのは、この人だけだったのではないか?

 公式Facebookにて、本作のメガホンを執った豊島圭介による「花宵道中監督日記」が公開されている。初挑戦の時代劇ゆえ、戸惑いもあった。だが、映画を完成させた今は、確信していた。「安達祐実が『上手い女優』なのではなく『すごい女優』なんだということを証明できた」。その通りだと思う。

文=吉田大助/ダ・ヴィンチ12月号「出版ニュースクリップ」

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