まさに未来のクッキング!? 「分子調理」が可能にした驚きのグルメ5選

ダ・ヴィンチニュース / 2014年11月26日 12時10分

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『料理と科学のおいしい出会い 分子調理が食の常識を変える』(石川伸一/化学同人)

 おいしいものに目がないみなさん! これまでよりもおいしく、斬新な料理を創造する科学的な料理の手法が今、国内外のレストランで注目されているようですよ。

【写真あり】人工イクラの技術を活用した「オリーブオイルキャビア」

 まさにその手法を用いて名を馳せたのが、2011年に惜しまれながらも閉店したスペインの「エル・ブリ」。実験室でおなじみの器具や技術を駆使して、誰も体験したことのない近未来的な料理を生み出してきた伝説のレストランです。

 『料理と科学のおいしい出会い 分子調理が食の常識を変える』(石川伸一/化学同人)によれば、料理に科学のメスを入れ、分子レベルでおいしさのヒミツを解明したり、解明した原理を新しい料理の開発に役立てたりする手法のことを「分子調理」というのだとか。

 本書では、エル・ブリの例をはじめ、たくさんの分子調理の例が網羅されています。なかでも、より近未来チックでワクワクできるグルメがこちら。

●食材を泡にする技術“エスプーマ”
前述のエル・ブリで有名になった調理法。亜酸化窒素などのバルブを使ってソーダを作る器具を改良し、「通常泡立たない食材、たとえばグリンピースやハーブなどの泡を使った料理」を作ることに成功。新たな食感の料理が生まれた一例だとか。

●硬いタケノコをババロア化する“凍結含浸法”
凍結含浸法は、簡単にいうと「圧力を利用して食材中に柔らかくする酵素を入れ込む方法」。煮ても硬いタケノコもまるでババロア、普通のステーキ肉もまるでフォアグラのようになるという「ミラクルな技術」とか。これを用いれば、介護食の現場が一変する可能性も。

●食品をカプセル化する“人工イクラ技術”
アルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム水溶液に滴下するとゲル化することを利用して、富山県にある会社が人工イクラ技術を開発。そこに目をつけたエル・ブリの創設者、フェラン・アドリア氏が「オリーブオイルだけでなく、メロンジュース、ソース、カクテルなどの素材も人工イクラ化し、口の中で瞬間的に弾ける“カプセル”として世界中の食通を驚かせた」んだとか。

●タバコのように“吸えるコーヒー”
「コーヒーは飲むもの」という概念を覆すのが、吸って楽しむコーヒー。「個体の粒子を気体中で分散させたエアロゾルで“食”を提供するもの」。咳き込まないように粒子のサイズや量も工夫されている。「ル・ウィフ」の名前ですでに商品化され、チョコレートなどもあるといいます。

●試験管で培養した“人工肉ハンバーガー”
2013年に、オランダのマルク・ポスト教授らがウシの幹細胞を試験管内で培養し、3ケ月かけて2万本の筋肉細胞を作成。それを使ったビーフバーガーを試食したとのニュースが。「このハンバーガーの製作にかかった費用は、なんと3000万円。グーグルの共同創業者が巨額の研究費を出資していますが、ポスト教授は“製造コストが下がれば、今後10~20年でスーパーに並ぶ可能性もある”と語っています」。

 著者の石川先生いわく、「分離、濃縮、乾燥、撹拌、精製、温度調節に関する機器類」が揃う実験室は、料理に応用できる道具の宝庫とか。近い未来、私達にも科学が可能にした新たな料理を味わうチャンスが訪れるかもしれません。

文=矢口あやは

ダ・ヴィンチニュース

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