火星×土星のカップリングも成立! あくなき好奇心と探究心を備えた、腐女子たちの「BL妄想力」に迫った

ダ・ヴィンチニュース / 2014年12月2日 11時40分

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『男子はみんなBL! 腐女子の目撃体験』(エンターブレイン)

 腐女子の脳内がヤバい。もちろん最大限の敬意を込めた表現であるのを、お許し願いたい。現在、一般的に使われる腐女子という言葉の意味は、広義で「アニメや2次元的な創作物に造詣のある女性」を指す場合も多いが、本来は、男性同士の恋愛やまぐわいに興味または関心を強く抱く女性を指す言葉だった。この記事でいう腐女子とは、まぎれもなく後者だ。  

 彼女たちがヤバイのは、宇宙とも表現のつかない想像力…もとい、妄想力にある。彼女たちは歯を磨くときも、通勤電車に揺られているときも、学校や会社で生活を送っているときも、そう、いついかなるときも、日常のさまざまな場面で男同士のカップリングを求めている。その好奇心と探究心にはぐうの音も出ないほどだが、奥ゆかしく生きる彼女たちの脳内を目の当たりにする機会はなかなかない。  

 過去には、『男子はみんなBL! 腐女子の目撃体験』(エンターブレイン)なる書籍も刊行されていた。学校や職場、街中で腐女子たちがみかけた男同士の色恋を匂わせるさまざまな場面、そして、あくなき妄想をギュッと凝縮したものではあるが、より生々しく腐女子たちの生態をたしかめたいと思い、ある一組のカップルを取材した。  

 男性は30代。まもなく結婚を控えているが、奥さんとなる女性が「ガチではなくガチすぎるほど」の腐女子だという。20代の彼女は小学生の頃からBLを愛する一人。みずから「人生の半分以上をBLに費やしてきたから、カラダの半分はホモ」と豪語するほどの腐女子である。現在、一人暮らしの彼女の部屋にある2畳ほどのクローゼットを、およそ数百冊にも及ぶ腐女子向けのマンガが占領している。  

 2人で部屋にいるときも、街中を歩いているときも「彼女の見ている世界にはホモが溢れています」と男性は語る。男性同士が仲良くしている場面をみかけると、瞬時にどちらが攻め(相手へ持ちかける方)か、受け(身体を預ける方)かをみきわめ、微笑みながら、なぜそう思うのかという解説をひとつひとつ丁寧に加えてくれるという。  

 また、彼女が脳内で描くカップリングは人だけにとどまらない。例えば、火星と木星という組み合わせや、居酒屋でみかけるグラスとジョッキ、ひいては塩と砂糖のようなものにいたるまで、いついかなるときでも瞬時に判断することができるようだ。  ただ、腐女子同士で時にはケンカへ発展することもある。高校時代を振り返る中で、「映画『ハリー・ポッター』のカップリングでケンカしたことがあります。私はハリドラ(ハリー・ポッター×ドラコ・マルフォイ)を主張していたけど、友だちが“ドラハリ”というので、授業中に手紙を投げ合って先生に怒られたこともありました」と語る。やがて大人になって再会したときには「やっぱり“ハリドラ”もいいかも」と友だちから告げられ和解したそうだが、ともあれ、それぞれの好みやこだわりも多岐にわたるという。  

 インタビューの最後、彼女は「ホモとは自分自身のかたまり」だと力強く語っていた。そして、彼女の趣味を受けて男性は「彼女が喜ぶ姿をみるのがうれしいです」と話していたが、いずれにせよ、何かへ一心に熱を注げるというのはたやすくできることではない。また、とどまることのない腐女子たちの妄想する力というのは、ひょっとすると「究極のクリエイティブ」と呼べるかもしれない。

取材・文=カネコシュウヘイ

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