ヤマンバ、イベサー、ガングロ…ギャル・ギャル男はどこに消えたのか? 【元・イベサー「ive.」四代目代表 荒井悠介氏インタビュー】(後編)

ダ・ヴィンチニュース / 2014年12月29日 11時30分

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荒井悠介さん(元・イベサー「ive.」四代目代表)

1990年代から2000年代にかけて、渋谷にたくさんいたギャルたちはいったいどこへ行ってしまったのだろうか? 渋谷でトップイベサー(イベントサークル)の代表を務めた後、現在、日本で唯一の「ギャル文化研究」を専門に行う異才の研究者、『ギャルとギャル男の文化人類学』の著者である荒井悠介さんに、今のギャルの現状について聞いた。

「ギャザリング」から「シェアリング」の時代へ―イベサー数は最盛期の10分の1に

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■リーマンショックと監視カメラが渋谷を変えた
―悪徳成功モデルの衰退

 2009年以降、東京のギャルシーンは大きく変わりました。多くの要因が重なり、それが表面化したのがこの年だったと思います。そのひとつの原因が、前年の2008年に起きた「リーマンショック」だったと思います。

 それまでは2000年頃の「ITバブル」などもあって、リーマンショック以降、ワルたちの「悪徳成功モデル」…つまり詐欺をやったり、水商売をやったりしてのし上がっていく、という成功モデルが衰退していったのではないかと考えています。僕らがイベサーをやっていた2000年前後は、周りにバブルを知る人たちがいたのでその残り香があったり、ITバブルもあったので、今はちょっと悪いことをして資本金を貯めたり、スポンサーを見つけて自分も将来は…と思っていた人が多くいたんです。

 またこうした層がキャバクラなどに金を落としていたのですが、リーマンショック以降は金が回らなくなって夜の街へ行かなくなり、『小悪魔ageha』で「アゲ嬢」と呼ばれていたようなキャバクラ嬢たちの生活もジリ貧になっていきました。闇金系、詐欺系の仕事の人も東京のキャバクラの主要な顧客でしたが、そうした人たちも以前のように派手に金を落とさなくなります。すると行き過ぎた髪の毛の「盛り」が減るなど、ヘアメイクやファッションにかけられるお金が減少したことがキャバ嬢たちに如実に現れました。そこへ2011年に「東日本大震災」が起こり、社会全体が堅実路線へとシフトしていったこと、そして道徳的間違いを許さないという社会的雰囲気も強まり、追い打ちをかけたと考えています。

 リーマンショック以前はリベラルな機運が強く、水商売やグレーゾーンのビジネスがかっこいいものとして描かれ、取り上げられることも多かったと思います。悪徳を踏み台に一般の経済社会へとのし上がっていく人たちのことも同様に評価され、ネガティブな経歴を持つ人が過剰に評価される風潮もあり、セルフプロデュースに役立つ「物語」と「カリスマ性」を求めて、若者がそのような道に走ることもありました。しかし経済的にも社会的にも「悪徳を成功に結びつけること」が悪いこととして捉えられるようになり、リスクばかりが増大したことが悪徳成功モデルの衰退に結びついたと考えられます。

ダ・ヴィンチニュース

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