広告コピーを書くのは締切前日でいい 【 『ここらで広告コピーの本当の話をしま​す。 』ブックレビュー】

ダ・ヴィンチニュース / 2015年1月8日 11時30分

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『ここらで広告コピーの本当の話をしま​す。 』(小霜和也/宣伝会議)

 以前、とあるきっかけでコピーライティングの授業を何度か受けた。ビジュアルと言葉を用いて「フライパン」を魅力的に見せろという課題が出された。コピー初心者の生徒達が考えたものの中には、当然ながら、ひねろうとして意味不明になっているもの、「うまいこと言いたい感」だけが滲み出ているもの、シンプルすぎて「だから何?」と言いたくなるもの等があった。講師は「コピーは、ひとりよがりにならないこと」と教えていた。商品を売りたい人たちの意図を汲み、そして同時に広告を目にする人の気持ちにならなくてはいけない、と。

【画像あり】『ここらで広告コピーの本当の話をしま​す。』中面をチェック


 最前線で活躍するクリエイター・小霜和也氏の『ここらで広告コピーの本当の話をします。』(宣伝会議)では「そもそも広告コピーとは何か」という話や、成功したコピーの具体例、コピーライティングにおける陥りがちな罠などが、その豊富な経験から生まれた具体的なエピソードを交えて書かれている。

 小霜氏によるとコピーライターやクリエイティブディレクターは「商品をいじらずに、言葉を使って商品の価値を上げる人」。そして広告の役割は「モノとヒトとの新しい関係を創ること」。広告コピーを作る人間に必要なこととして、商品の背景や性質をよく理解し、競合商品を明確に設定し、マーケティングの力をつけ、消費者の潜在的需要を発見し(作るのではなく見つける)、商品を自分の体や感覚を使って知ること、などを挙げている。

「もし提出まで一週間あるのなら、実際に書いたり、描いたりするのは前日の1日あれば充分。それまでの6日は競合商品やターゲットインサイトを調べたり、売り場に行ってみたり、商品を使ってみたり、そんなことをしながら考えて過ごすこと」と、コピーをただ「机に向かって書いた手間への報酬」としか考えない初心者ライター達に警鐘を鳴らす。ただの「コピーの書き方本」ではなく、経験を積み、新人も育ててきた小霜氏の着眼点で書かれた本書は非常に実用的で、コピーの本質を考えさせられるものとなっている。

文=女生徒

ダ・ヴィンチニュース

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