用品やフードの進化で飼育の負担が大きく軽減!いま、爬虫類の人気が高まっている
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2022年1月25日 1時0分
コロナ禍による在宅時間の長時間化は、さまざまなカテゴリーで新しいニーズを生み、消費に結び付いてきたが、ペット市場もその1つ。在宅のストレスを癒やすのに役立つペットの役割があらためて注目されている。中でも爬虫類の中には比較的飼育が容易で、初心者でも始めやすい種類があり、人気を呼んでいる。フードなどの関連商品も進化し、新たな需要の拡大につながっている。
用品やフードの進化で飼育の負担が大きく軽減
コロナ以前から、爬虫類や両生類の飼育数は増える傾向にあり、以前は専門店など以外では入手が難しかった生体に、アクセスできるチャネルも増えてきた。爬虫類や両生類の種類は多様だが、ヤモリ類、トカゲ類、ヘビ類、カメ類などの中には比較的飼育が容易な種類も多く、人気が高い。一人暮らしでも飼育可能で、騒音などの問題もないなど、飼育にかかわる負担が犬や猫と比べて少ないという利点もある。
以前は、生き餌を好む昆虫食性に対応する人工フードがなく、飼育のネックになり得る要素も確かに存在した。しかし、近年のフードの進化によって、以前とは比較にならないほど、飼育環境を整えるための利便性も高まっている。
また生体については、全国各地で即売を行う展示会などのイベントが活発に開催され、盛況を博している。実際に生体を目にすると、一般的なイメージとは異なり、仕草や表情などのかわいさなど、独特の魅力にとらわれ、飼育を始める層も少なくない。女性の飼育層も増える傾向にある。
関連用品やフードの市場は急速に拡大
こうした状況を踏まえて関連用品やフードの品揃えを強化するホームセンターも増えている。犬や猫などと比べて市場はまだまだ小さいが、着実に品揃えを行うことで、拡大するニーズへの対応強化を図るチェーンも増えつつある。
ジェックスでは、爬虫類市場についての調査を行っている。それによると、爬虫類用の用品やフードの市場規模は年々拡大しており、とくに2020年から大きく伸びている(表参照)。
また、爬虫類の飼育者層を男女別に見ると、女性の割合が41・2%と、観賞魚などの割合と比較すると高くなっている。
実際に飼育している生体としては、人気の高い「ヒョウモントカゲモドキ」が25%と多く、「フトアゴヒゲトカゲ」が13%とこれに続く。またカメやヘビ、イモリやカエルなども一定の割合を占めている。
また飼育歴については、3年までの飼育初心者が約60%を占める。中でも1年以内が27%と多く、最近の人気の高まりがうかがえる。
注目メーカーマーケティング
ジェックス
人気の爬(は)虫類向けフード「レオパブレンドフード」など手軽さと栄養バランスに優れたフードをラインアップ
爬虫類用品ブランド「EXO TERRA(エキゾテラ)」で業界をリードしてきたジェックス。爬虫類の飼育層の幅が広がるなか、飼育のハードルを下げる商品設計のフードに代表されるユーザー目線の商品開発で市場拡大を図る考えだ。
昆虫原料の健康食が爬虫類飼育を容易に
ジェックスは、早くからペットとしての爬虫類の魅力を訴求してきた企業の1つ。2009年頃から爬虫類ファンが少しずつ増加し、飼育層の幅も一部のマニアだけでなく、より一般的なペットとして広がってきた。
こうした市場拡大に拍車をかけている商品が、同社の「レオパブレンドフード」だ。爬虫類をペットとして飼育する層の中でも圧倒的に人気の高いヤモリ類の一種である「ヒョウモントカゲモドキ(レオパード・ゲッコー)」用のペレットフードとして開発されたフード。60gと120g、業務用の250gタイプがあり、発売初年度から大きく販売実績を伸ばしたヒット商品となっている。
昆虫原料の「アメリカミズアブ幼虫」を使用しており、昆虫食爬虫類に必要な栄養素をたっぷりと含んでいる。さらに与える量だけ、さっと水でふやかすだけで簡単に給餌することができる手軽さも魅力。し好性も非常に高く、昆虫主体(原材料中47%)のフードなので、成長に必要なタンパク質、脂質が確保することができ、生き餌よりもしっかり大きく育てることができる。また、ドライペレットタイプなので、常温での保管も容易だ。
同社では、長期給餌試験を実施しており、このフードだけで健康に育つことを獣医師によって確認も行っている。また昆虫食の爬虫類全般に使用できるのも特徴だ。
同原料の多様なフードを種類や用途別に提供
ジェックスでは、「アメリカミズアブ」の幼虫を原料とするペレットタイプのフードを18年から販売してきたが、毎年120%の成長を記録。同じ原料を使用した「フトアゴブレンドフード」「トカゲブレンドフード」など、人気の爬虫類向けフードを順次発売し、いずれも好調だ。容易に入手・保管できるフードが登場したことで、爬虫類の飼育の手軽さは大きく向上した。
また現在、昆虫やほかの人工フードを与えているオーナーでも、自然界ではさまざまな昆虫を食べるほうがむしろ自然なので、普段のエサに加えるかたちで利用することもできる。
同社商品開発部の奈良有夏氏は「『アメリカミズアブ』の幼虫は、カルシウムを豊富に含み、カルシウムとリンのバランスが他の昆虫と比べても、多くの爬虫類に理想的なバランスになっています。こうしたフードが充実し、普及してきたことが爬虫類人気拡大の要因になっていますが、YouTubeなどで飼育方法に関する情報が容易に得られるようになってきたこともすそ野の拡大につながっているとみています。今後も、爬虫類のマーケットを支える存在として、用品やフードを通して健全な発展に貢献していきたいと考えています」と言う。
同社では爬虫類の専用サイトなどでも情報発信を行っており、今後も関連用品を含む総合メーカーとして、市場拡大に寄与していく方針だ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【岡山理科大学】オオサンショウウオの骨組織は絶滅した両生類に類似 現生動物に類例なく、“生きた化石”を骨が裏づけ
@Press / 2024年11月19日 11時30分
-
関西最大の爬虫類の祭典「レプタイルズフィーバー2025 Winter」前売り券販売中!
PR TIMES / 2024年11月14日 10時0分
-
Peritus Capital、持続可能なタンパク質生産を推進するOberland Agriscience向け長期融資を確保
共同通信PRワイヤー / 2024年11月6日 9時45分
-
捨てられて痩せ細ったレオパのため、有給3日使って看病したら…… 「ちょっと泣いた」驚きの変貌に感動→8カ月後の現在について聞いた
ねとらぼ / 2024年10月31日 19時30分
-
中国の若者の間で「マニアックなペット」がブームに
Record China / 2024年10月31日 8時30分
ランキング
-
1「トイレ流せない…」水道代にも値上げの波 千葉で水道代を2割“値上げ”方針 住民からは悲鳴も【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月25日 21時9分
-
2関西財界訪中団、邦人の安全確保に懸念 短期ビザ免除再開に期待も 投資意欲は持続
産経ニュース / 2024年11月25日 18時19分
-
3なぜ「モータースポーツ新会社」設立? GRとは違う「TGR-D」誕生!? トヨタ会長が語る会社分割の狙いとは
くるまのニュース / 2024年11月25日 23時10分
-
4ダウ・S&P日中最高値更新、トランプ氏の財務長官指名受け
ロイター / 2024年11月26日 2時19分
-
5為替相場 26日(日本時間 5時)
共同通信 / 2024年11月26日 5時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください