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ファミリーマート2022年2月期決算が発表、今期から新中計が始動!

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2022年5月3日 20時55分

 7月8日、ファミリーマートは、親会社である伊藤忠商事から公開買い付け(TOB)の提案を受けていることは事実だと発表した。写真は都内で2010年11月撮影(2020年 ロイター/Yuriko Nakao)

ファミリーマート(東京都/細見研介社長)は4月14日、2022年2月期通期決算を発表した。20年11月の上場廃止以降2度目となる最新決算では21年に創立40周年を迎えた同社の連結決算、および22年度以降の再成長に向けた新中期経営計画について語られた。

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伊藤忠商事のTOBにより、ファミリーマートは上場廃止した

「再成長」に向けた取組みにより、業績は一定の回復

 ファミリーマートが4月14日に発表した2022年2月期の連結決算(IFRS)は、営業収益が対前期比4.6%減の4514億円、事業利益は同8.3%減の653億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は902億円(前期は164億円の当期損失)であった。チェーン全店売上高は同2.8%増の2兆8419億円だった。

 連結業績について、ファミリーマート取締役常務執行役員CSO(兼)経営企画本部長の浦島宣哉氏は「21年度の既存店日商は、8月をのぞいたすべての月で前年を上回り、通期では対前年同期比103.3%となった。既存店客数(伸び率101.1%)および客単価(伸び率102.2%)もともに前期を上回り、コロナ禍から一定の回復を見ることができた」と総括した。

 営業収益、事業利益については「前期比マイナスとなっているが、台湾ファミリーマートの関連会社化の影響をのぞくと、営業収益309億円、事業利益25億円とそれぞれ前期実績を上回っている」とコメント。

 親会社所有者帰属利益については、「台湾ファミリーマート関連特別利益を含め、期初計画を93億円上回った。特殊要因をのぞく親会社所有者帰属利益はヒット商品に恵まれ勢いが出てきていること、次年度に計画していた施策を前倒し実行したことによって前期比110億円増の280億円となった」と話す。

2021年度の振り返り

 ファミリーマートは2021年度を「再成長軌道に乗せる1年」と位置づけ、①基本の徹底、②新規ビジネスへの挑戦、③業務改革、④「ファミマecoビジョン2050」達成に向けた施策を推進、すべての施策でデジタル技術を積極的に活用してきた。

 具体的な取り組みとして、浦島氏は、ファミリーマート40周年企画の実施や21年10月から展開した新PB「ファミマル」によって親しみやすい店舗づくりを実施した点、無人決済店舗の拡大によって短時間で買い物できる利便性を提供し、従来にはなかった立地への店舗展開ができた点、部門を超えた連携によって生まれたクリスピーチキンなどのヒット商品が、定番・看板商品育成につながった点などを評価する。

 そのほか、広告・メディア事業に注力し、「店舗のメディア化」をスタートした。22年2月末には3連大型サイネージ 「Family Mart Vision」の設置店が1000店舗を達成した。また、21年度に1169万ダウンロードを達成した「ファミペイ」や新しい金融サービスの提供、飲料自動陳列ロボットやAIアシスタントの活用による業務およびサプライチェーンの効率化などについても語られた。

 加えて、温室効果ガス削減に向けた包材フィルム変更や「エコ割」の導入、「フードドライブ」の拡大など食品ロス削減にむけた独自の活動も展開した。

新中期経営計画が始動

 ファミリーマートは22~24年度を「再成長を実現する3年間」と位置づけ、新中期経営計画を策定。新CVS事業における店舗・ブランド・顧客基盤の強化と、基盤を活用した新規ビジネスの拡大を基本軸とし、これら両軸によって利益を生み出す好循環をめざす。

 第一の軸であるCVS事業では①ブランド力、②店舗基盤、③顧客基盤を愚直に強化していく。ブランド力の強化として高いQSCVレベルを維持すると共に、店舗基盤においてはデジタルの活用による日商予測の仕組みを刷新し、出店精度の向上および店舗網を拡大する。

 これに加えて、AIを活用し省人化・省力化を実現。店舗運営コストを低減していく。顧客基盤強化としては、ファミペイを引き続き強化し、顧客の積極的な来店を促す。加えて潜在ニーズの大きい女性およびシニア層へのアプローチを行っていくとしている。

 2つ目の軸である新規ビジネスの拡大として、前期までに布石を打ってきた①金融、②広告・メディア、③デジタルコマースを掲げており、中計期間中の収益化をめざす。
 
 金融については、顧客基盤と自社ペイメントサービスを活かし、21年に開始したファミペイ翌月払いやファミペイローンを収益化し、ATMや収納代行サービスなどの金融関連事業を拡大していく方針だ。

 広告・メディア事業については、デジタルサイネージ設置による店舗のメディア化を加速し、まずは全店舗導入をめざし、来店客との接触可能なメディアを構築していく。デジタルサイネージをファミペイなどの自社メディアおよび顧客データ分析と組み合わせ、独自の広告モデル構築をしたい考えだ。

 デジタルコマースについては、店舗網・配送網などを活かし、宅配だけではなく店舗を中心としたデジタルコマース事業を創出していく。

 そしてこれら新規事業で得た収益を店舗に投資し、CVS事業を一層強化する「成長の好循環」を実現していく。

持続的な増益へ、2022年度通期計画

 22年度は営業収益が4470億円、事業利益が570億円、親会社所有者帰属利益は特殊要因を除き、前年度より50億円増の330億円の増益を計画する。

コスト上昇圧力が高まる中、販売の勢いを維持し、日商・収益力・企業ブランドを引き続き向上させ、計画達成をめざす。なお23年度以降の利益目標数値は、「設定していないが、定性面では3年間の具体的な実行計画を定めており、持続的な増益をめざす」と述べるにとどめた。

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