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ファミリーマートの顧客創造大作戦

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2010年9月15日 20時38分

ファミリーマートは2020年11月には上場を廃止。21年3月から伊藤忠商事出身の細見研介社長による新体制もスタートさせた

 ファミリーマート(東京都/上田準二社長)は、9月14日、50歳代以上の“おとな世代”に向けたアクティブなライフスタイルを提案し、フォーラムやイベントなどを行う「クラブ・ウィルビー」の協力のもと、「おとなコンビニ研究所」(残間里江子所長)を立ち上げた。

 コンビニエンスストア(CVS)業態が勃興してから約30年。20代から30代の若い男女と45歳以下の壮年男性に支えられ、堅実に成長を重ね、いまも顧客の約8割は彼らが占めている。

 ただ、少子高齢化社会が進展するなかでは新しい顧客層を取り込まない限り、次期成長カーブは描けない。そこでファミリーマートが新しいターゲットとしてねらいを定めたのが50歳から65歳までの“おとな”だ。「おとなコンビニ研究所」では、“おとな”の満足とは何かを多方面から検討し、豊かな“おとな”の生活提案への貢献をめざすという。

 主な研究テーマは、「商品開発」「サービス開発」「社会貢献」の3点だ。

 とくに50歳代以上の男性は、仕事に没頭し過ぎているために気がつけば居場所が会社しかない人間。自分が「楽しく過ごすためのコミュニティ」を持っていない傾向が強い。こうした層に対して、コミュニティとして「サービス」「社会貢献」の提供を模索するファミリーマートの動きは、CVSの新しい形を予感させとても期待を持てる。

 一方、「商品開発」では、9月21日から、「おとなコンビニ研究所」の新商品第1弾として、「包みごはんとつくね弁当」(税込460円)、「鹿児島県産黒豚ロースとんかつ弁当」(同550円)、「大人のなめらか豆腐」(同158円)の3種類を発売する。

 試食をしてみて、惜しいと感じたのは、どの商品もCVSの過去の流れの延長線上にあり、抜きん出ておいしいとは言えないことだ。

 CVSの儲けの源泉は、いまのところ物販だ。

 その中軸商品である惣菜や弁当のライバルは食品スーパー、総菜専門店、デパ地下など枚挙にいとまがないほど多い大激戦区。そして“おとな”は、CVSでも抜きん出ておいしいものを食べたいものじゃないかと、“おとな”の一歩手前にいる私は思う。

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