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特別企画 ホームセンターバイヤーが選ぶ年間ヒット商品2023!

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2023年3月8日 1時0分

年間ヒット商品アイキャッチ

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ダイヤモンド・ホームセンター誌では毎年、ホームセンターの店頭で業績貢献度の高かった新商品についてHCの商品部にアンケートを実施し、その中で最もポイントの高かった商品を表彰している。19回目を迎えた受賞商品を発表する。

新型コロナウイルス感染症拡大から3年目に入った2022年は、前年の巣ごもり需要の反動から、HC市場全体では伸び悩み傾向となったが、DIY、ガーデニング、カー・レジャー、ペットといった部門は堅調に推移したもようだ。今年のアンケートも、こうした市場環境の影響を受けた結果となった。

表彰商品一覧

表彰商品一覧
選定方法
全国約80社のホームセンターにアンケートを発送。アンケートは、「DIY用品」「ガーデニング」「カー用品」「ペット」「リフォーム・住宅設備機器」「エクステリア」「インテリア」「家電・照明」「文具・家庭用品」「資材」「プロユース」の11部門をさらに74の中分類カテゴリーまで設定(「他」含む)。2021年夏~22年夏に発売された新製品を対象とし、「最も貢献した商品」について仕入れ担当者が回答。回答方式は記名式。一部季節性のある商品はそれ以前の発売日の商品や、ブランドとしては既存商品だがリニューアルやラインアップを拡充した商品も受賞対象とした。上記回答に有識者およびダイヤモンド・ホームセンター編集部による投票の合計から、各カテゴリーの中から最も回答が多かった商品を「ホームセンターバイヤーが選ぶ年間ヒット商品2023」として選定した。

回答企業は、下記の15社(五十音順、回答件数115件)

アイリスプラザ、ダイシンカンパニー、アヤハディオ、カンセキ、グッデイ、コメリ、さとう、ジョイフルエーケー、スーパーセンターシマヤ、ダイユーエイト、テーオーリテイリング、西村ジョイ、ホームセンターきたやま、ホームセンターさくもと、ホームセンターヤスサキ、ホームセンターユートク

「売上高」「販売数量」の回答率高く

グラフ1 業績への貢献度 指標別回答比率 全部門のアンケート結果を集計した、業績への貢献度(ヒット商品が経営指標の何に貢献したのか?)の回答率がグラフ1である。

 「売上高」「販売数量」「利益額」「利益率」の回答率の順位に変化はない。「売上高」の回答率は69.4%とこの3年間は横ばいだ。しかし2019年までのアンケート結果では65%以上になったことがなく、20年に初めて70%台に乗せてから、高水準で推移している。コロナ禍の需要により大きく売上を伸ばす傾向が続いていると思われる。

 「売上高」に関連する「販売数量」は41.4%と漸減だが、16年までは30%台を推移しており、決して低くない。

 「利益額」「利益率」ともに前年からポイントを下げたが、長期的に見ると大きな変化はなく、この2つの項目はコロナ禍以前に戻っている。

下位の項目も10年前からは回答率アップ

グラフ2 ヒットした要因 項目別回答比率 ヒットした要因を選択してもらった結果がグラフ2である。全体的な回答率の傾向に大きな変化はなかった。また「価格(値ごろ感)」「ブランド力」「新規機能性」の上位3 項目も同じで、ヒット商品の3大要素と言ってもよさそうだ。

 これら3つの項目は、毎年回答率が拮抗しており、これまでも順位が入れ替わることもあった。

 ただし、「新規機能性」の回答率は、17年以降漸減傾向にある。とくに20年以降は、他の2つに比べてやや水をあけられた感もある。HC市場の拡大のために機能性の提案は必須なのだが、この2年間では巣ごもり需要に応えることがヒット商品の一歩となったこともあり、「新規機能性」に関してはやや後退した感が見受けられる。しかし、今回のヒット商品で選定された商品は、いずれも機能性に優れている。今後も消費者のニーズに応えた商品開発が求められるところだ。

 4位以下の項目も、この数年の順位に変化はないが、「売場提案(販促強化商品)」も、ややポイントを落としている。これも、コロナ禍にあって大々的な販促を売場では控えざるを得なくなった影響が出ているのかもしれない。

 「斬新さ(デザインなど)」は、ほぼ回答率が横ばいだが、16年以前の回答率は1ケタが続いていた。今年の受賞商品の中でも、売場で目につくデザイン、わかりやすいパッケージといった商品が評価されているケースが多い。商品本体やパッケージなどのデザインは、今後も重要なポイントになりそうだ。

 「メーカーの広告力」も、回答率が同水準を続けているが、長期的な回答の傾向を見ると、回答率が高まっている。

 「環境・ユニバーサルデザイン」がヒットの要因となった商品はまだ少ないが、これも18年頃までは1%を前後していたことを見ると、じわりと広がっているように思われる。SDGs(持続可能な開発目標)やエシカル消費が言われるようになり、消費者もこうした視点から商品を見るようになっている。今後の動向に注目したい。

熱中症対策も22年のヒット商品

表1 業績への貢献内容別の部門トップ5 業績への貢献度の経営指標で、回答の多かった部門(中分類)のトップ5が表1だ。

 今年は熱中症対策が4つの項目で上位5カテゴリーの中に入っているのが注目される。同カテゴリーは、文具・日用品の中で設問を設けたのだが、挙げられた商品は首回りの冷感商品だった。特定するブランドに絞りきれなかったので本企画の選定から外さざるを得なかった。しかし、熱中症対策関連では、作業用衣料が販売数量で2位に、売上高で1位になった。ワークウエアも売上高で3位にランクインしている。両部門では、熱中症対策の商品を挙げるバイヤーがいた。また生活家電で携帯ファンを挙げたバイヤーがいた。熱中症対策は、実際、HCが部門横断的に、総力を挙げて取り組まなければならないカテゴリーでもある。

 「利益額」で、ペット関連の3つのカテゴリー(ペット用品犬・猫用、小動物・観賞魚用用品、ドッグフード)がトップ5に入っている。昨年もドッグフード、キャットフード、ペット用品(犬・猫用)がトップ5入りである。「利益率」とともにペット関連商品が貢献していることがうかがえる。

斬新さで上位カテゴリーから3商品選定

 ヒットした要因で回答率の多かった部門のトップ5が表2である。

表2 業績に貢献した要因に挙げられた部門別トップ5

 上位5カテゴリーの中で、今年のヒット商品に選定された商品について紹介しよう。

 「ブランド力」で2位、「斬新さ」で1位のペット用品(犬・猫用)からは、ジェックスの猫用給水器「ピュアクリスタル ニャーロ」。おしゃれでコンパクトでも多機能なことが評価された。

 「新規機能性」で回答率がトップだった掃除用品からは、P&Gジャパンの「ファブリーズ お風呂用防カビ剤」が選定された。置くだけで防カビ効果が期待できる商品だが、ファブリーズブランドの認知度の高さも貢献している。

 同2位のキャットフードからは、マルカンの腎臓健康維持フード「AIM30」だ。猫の腎臓病は気づかないうちに訪れるといわれている。猫好きの人が求めてきたフードだ。

 「斬新さ」で3位の物置からは、田窪工業所の「ペインタ」。鮮やかな色合いのプリントがヒットにつながっている。同5位の薬剤部門からは、アース製薬の殺虫・殺菌剤「アースガーデン 花いとし/野菜うまし」。パッケージのデザインが高評価だ。

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