『夏至カレー』からみる販促プロモーションの成功事例
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2019年7月17日 8時0分
大手GMSのチラシ制作事業からスタートし、2004年12月に設立された電通tempo(でんつうてんぽ)。52週365日販促で培ったプロモーション力を強みに、現在はさまざまなメディアを使いながら、流通小売業を中心としたプロモーション領域の課題解決に取り組んでいる。その成功事例のひとつが「夏至カレー」だ。
SNS上で話題の夏至カレーとは?
そもそも「夏至カレー」は、ある一人の女性がSNSで発信したことに端を発する。夏を満喫するために、まずは夏至を楽しもうと思ったが、冬至とは違って夏至にはこれといった慣習がない。ならば、自らが提案者となり「夏至の日はカレーを食べよう」と発信したのである。これがじわじわと浸透し、2018年にはSNS上で賛同する投稿が相次ぎ、大阪では「夏至カレーフェス」も開催された。
「夏至カレー」の販促プロモーション発動
こうした動きにいち早く気づいたのが電通tempoだ。同社には、消費者のインサイトやトレンドを把握・分析し、消費の兆しを発掘するマーケティングプロジェクトチーム「キザシ発掘Lab」※1がある。「夏至カレー」の広がりを電通グループで共有したところ、第二のバレンタインデーやハロウィンになる可能性があると判断。提案者である中田絢子氏と電通が共同で「夏至カレー」の商標登録を出願※2することになり、これに合わせてロゴマークを制作。日が一番長くなる夏至に太陽の恵みを感じながら、カレーをおいしくいただき、今年前半を労うとともに、残り半年の健康を願う「ネオ季節行事」、それが「夏至カレー」と定義した。
早速、流通でもプロモーション施策として展開しようと、電通tempoではイトーヨーカドーに提案した。
「夏至のある6月は流通にとって催事の話題が少ないため、『夏至カレー』は大いに響くと考えました」と話すのは、プロジェクト・ディレクターの市川敦子氏。初の試みは旗艦店の大森店で展開することに決まり、2019年6月22日の夏至を挟んだ17日~23日の1週間実施されることになった。
※1 電通tempoの登録商標。
※2「 夏至カレー」は、夏至カレー大使である中田絢子氏と㈱電通が共同で商標登録出願中。
次ページは
夏至カレーのプロモーションが成功したポイントとは?
夏至カレーの販売プロモーションが成功したポイントとは
今回の施策のポイントは3つある。まず、消費者トレンドを踏まえたテーマ策定だったということだ。すでに「夏至カレー」を認知している消費者がいたことはプロモーションを実施するうえで有利に働く。
また次のポイントは、流通とメーカーの双方に有益なプロモーションだったという点だ。流通にとっては、売上減少の時期に新しいトレンドを発信できるだけでなく、カレーは生鮮を含め買い上げ点数が増える。もちろん、メーカーにとってもメリットは大きい。通常、こうした施策はメーカー主導のケースが多いが、1社のみの提案では実現しにくい。しかし今回は、流通から働きかけたことで、多くのメーカーが賛同・協力し、マネキンも入れるなど売場全体が活性化した。
最後のポイントは、新しいソリューションを取り入れながら売場とウェブを連動させ、統合的なプロモーションとして実施された点だ。
「売場では、ペッパーを導入。双方向のコミュニケーションがとれるように、当社でコンテンツまで制作。足止め効果を高めました。また、集客ツールとしてカレーの匂いを展開し、体験型店舗をめざしました」とプランナーの永野薫氏は話す。一方、オウンドメディアでも「夏至カレー」を訴求し、それを動画化したものをイトーヨーカドー全店の店頭サイネージで発信。合わせて、ネットスーパーのトップバナーでも展開した。
この取り組みにより、カレー・シチュー部門で大森店が全店トップを記録した。来年はさらなる盛り上がりをめざす考えだ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
電通PRコンサルティング×電通プロモーションエグゼ 新サービス「緊急時対応プログラム」を提供開始
共同通信PRワイヤー / 2024年11月19日 11時0分
-
デジタルサイネージ設置台数1万台突破!小売業の販売促進サポートを加速
@Press / 2024年11月12日 13時0分
-
スコープ、販促活動を専門とする「スコープ販促創造研究所」を開所 「買いたい」から「買い続けたい」を創る独自のシンクタンクが誕生業界連携を強化しプロアクティブな調査・研究活動を実施
PR TIMES / 2024年11月5日 14時45分
-
金融機関に向けたプロモーションに役立つ記事を随時更新!サービスサイト新機能追加 | セミナーインフォ
PR TIMES / 2024年11月5日 13時45分
-
店舗販促の課題を解決!売場づくりのプロが販売力向上をサポートする新サービス「売場ドクター」開始
PR TIMES / 2024年11月2日 20時40分
ランキング
-
1サンリオ株、三菱UFJや三井住友銀などが売却 約1335億円
ロイター / 2024年11月26日 16時58分
-
2「牛丼500円時代」の幕開け なぜ吉野家は減速し、すき家が独走したのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月26日 8時10分
-
3【新NISA】50~60代から投資を始めるのは遅い?…メガバンク出身YouTuberが月1,000円ずつ投資した3つの銘柄「たった2年」で驚きの結果
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月26日 9時15分
-
4激混み国道23号と1号を“直結” 桑名の川沿いを行く新道開通 たった720mでも「かなり便利じゃないかコレ…!?」
乗りものニュース / 2024年11月25日 7時42分
-
5「会社がつらい」同期トップ入社の彼に起こった事 「発達障害グレーゾーン」の人たちの特徴とは?
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 14時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください