1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

売場の“ロピア化”が止まらない?! 「スーパーバリュー杉並高井戸店」の売場を徹底解説

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2023年7月4日 20時55分

スーパーバリュー杉並高井戸店の外観

スーパーバリュー(埼玉県/岸本圭司社長)は2023年4月、東京都杉並区の「スーパーバリュー杉並高井戸店」(以下、高井戸店)をリニューアルオープンした。22年にロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)を中核とするOICグループ(神奈川県/髙木勇輔代表 ※23年5月1日付で、ロピア・ホールディングスはOICグループに商号変更)傘下に入った同社。22年末にリニューアルした「スーパーバリュー越谷店」(埼玉県越谷市)では、売場が“ロピア化”していたことで注目を集めた。高井戸店は改装でどのような売場に生まれ変わったのか。現地に足を運んだ

スーパーバリュー杉並高井戸店の外観

調査期間:5月3、6、14日 ※本文中の価格はすべて本体価格

シンプルで洗練された売場!?

 スーパーバリューが23年4月に改装オープンした高井戸店は、京王線「上北沢」駅から歩いて約14分の場所にある。所在地は東京都の杉並区と世田谷区の境で、周辺は住宅街が広がる。都内でも屈指のソフィスティケート(都会的で洗練された)された住宅街であり、スーパーバリュー、実質的に親会社であるロピアとしても初めて経験する立地であったことと思われる。平日の店舗駐車場に停めてあるクルマを見てみると、9割が「世田谷」「杉並」ナンバーで、足元商圏からのお客が大半であるようだ。

 店舗は2階建てで1階がホームセンター、2階が食品売場となっている。筆者の歩測では、食品売場の売場面積は約400坪。ロピアの標準店と比べるとやや小ぶりな店舗だ。

スーパーバリュー杉並高井戸店の売場レイアウト

 22年末に改装オープンしたスーパーバリュー越谷店では、ロピアのオリジナル商品や売場演出を導入するなど、売場の“ロピア化”が見られたスーパーバリュー。ロピアは量感と質感を両立させた売場づくりを特徴としているが、この高井戸店は量感よりも質感を重視した売場となっており、「売れる商品」と「売りたい商品」を巧妙に組み合わせた、独自のスタイルであるようだ。

 木目調の床、自然光を多く取り入れた店内照明、シンプルな売場配置と、地域特性を勘案してか、装飾もロピアの既存店と比べると控えめで都会的な“大人のスーパー”の様相だ。商品構成では、生鮮食品は売れ筋中心に品揃えを絞り、「紅茶」「たれ」「スパイス」「ふりかけ」「醤油」「グミ」「菓子大袋」など加工食品・菓子ではこだわり商品を差し込んだ独自のスタイルで、スーパーバリューのオリジナルブランド「SVセレクト」の扱いもある。

青果が主役!? 生鮮・日配重視の商品構成

売場スペース構成比は、生鮮が44%、日配が20%で、両部門合計で66%を占める。生鮮・日配主体の構成で、ほかの食品スーパーとは明確に構成が異なることがわかるだろう。

スーパーバリュー杉並高井戸店の売場スペース構成比

主要部門の売場を見ていこう。1階から階段を上がった先にある青果売場は、主通路両サイドに冷蔵ケース36尺に、横幅18尺の平台5台を配置し標準的な食品スーパーのスタイルで、面積は50坪(歩測)。売場前面では日替わりで商品を変えていて、調査日は、「青肉メロン」(699円)、「生しいたけ100g」(99円)などを販売していた。レジ側から見て左側壁面ではバナナを先頭に、レタス(1玉99円)、ブロッコリー(1房159円)、「もやし200g」(39円)などにつなげている。

売場配置はオーソドックスで、売れ筋の価格訴求も徹底されており、イチゴなどはバンドル販売で安さをアピールしていた。ほかの店にはない安さであり、青果が売場の主役となっていることは間違いない。

ロピアの定番商品を多数導入!

 続く鮮魚売場も青果と同様に両サイド36尺で売場を展開しており、「まぐろ」「刺身」「刺身用サク」「「切身」「寿司・丼」「冷凍魚」などをコーナー展開。通路中央の平台2台では「まぐろ」「鮭」「珍味」「塩干」を配置。後述の総菜売場と一体となっており、合計の売場面積は約50坪(歩測)となっている。

インパクトある見た目の「生アトランティックサーモン刺身用」(100g290円、写真は327g)

 入口側から見て右側の壁面20尺では、「まぐろ」コーナーを先頭に「刺身4点盛」(1290円)、「6点盛」(1990円)などロピアとは異なり刺身の扱いもある。刺身用サクでは「真鯛」(590円)、「真たこ」(100g270円)などを販売。「寿司・丼」は16尺で、「魚萬特製にぎり寿司」を30貫(3990円)、「18貫」(2390円)、「9貫」(1290円)などを販売。ロピアのオリジナル商品である「海鮮ちらし寿司」(1000円)、「いくら丼」(990円)、「えび漬け丼」(890円)など、各種海鮮丼も品揃えする。「焼魚弁当(鮭ハラミ)」(999円)など弁当の扱いもある。

鮮魚売場では弁当の扱いもあり、調査日は「魚萬焼魚弁当(さばみりん)」(590円)を販売していた

 2台の平台では、エンドでロピア定番の長崎産「生本まぐろブーメラン」(100g590円)、隣の平台のエンドでも定番の「アトランティックサーモン養殖刺身用」(100g290円)を販売する。ロピアの定番商品を軸に全体的にコンパクトにまとまった、安定感のある商品構成となっている。

売場はコンパクトでもユニークな商品が充実!

 総菜は「ごちそうマルシェ」と銘打ち、鮮魚から続く壁面6尺のピザコーナーのほか、幅17尺の平台2本のみとコンパクトな売場となっている。ピザは以前ロピアの店舗で見られた訴求品でなく、「ウイナーベーコンピザ」「ウイナーマルゲリータピザ」(各699円)、「照り焼きチキンピザ増量」(999円)、「牛カルビピザ」(1080円)、「ガーリックシューリンプ」(1500円)など、高単価の商品を豊富に揃える。

総菜売場では、ロピアではおなじみのボリューム感あふれる商品が目立つ

 前方の平台エンドでは、ロピアのグループ会社である利恵産業が製造する「チーズケーキ極」(998円)のほか、同じく利恵産業製の冷凍ピザ、「チキンマカロニグラタン」「ミルフィーユローラ8個」(699円)をラインナップする。デザートも利恵産業の商品が目立ち、「北海道牛乳のプルプルミルクゼリー」「280円)、「バニラ香るごほうびプリン」(199円)などを販売する。

 後方平台では、「鰻姿すし(松)」(1480円)、「焼鳥盛合せ16本」(999円)、「マルキンパ(牛カルビ)10切」(599円)、「大きなエビフライ6尾」(999円)、「ヤンニョムチキン&ハニーガリック」(999円)、「自家製ロピア一口肉団子8個」「ポーク肉焼売10個」(各555円)などユニークな商品を幅広く揃える。精肉は入口側から見て右壁面52尺で牛肉、正面壁面36尺で豚肉とひき肉、平台3台で鶏肉と冷凍肉、平場壁面36尺で加工肉と合計約52坪(歩測)で売場を展開する。壁面には、「肉のロピア」との屋号が掲げられ、作業場の風景が映し出されているモニターも設置されている。

 牛肉はチラシ掲出商品の「焼肉用切り落とし」として「黒毛和牛」(100g399円)、「適霜牛」(100g350円)」を販売。「ブロック」「ステーキ」「焼肉」「しゃぶしゃぶ」「切り落とし」などロピアと同じメニュー別の陳列を採用しているのが目を引く。豚肉もロピアではおなじみの「みなもと豚」をセンター納品で対応。輸入豚はメキシコ、スペイン産の商品を扱う。鶏肉は国内産「みなもと鶏」をベースに、「博多地鶏」の扱いもある、輸入鶏はタイ産「米味鶏」を揃える。

精肉売場で販売していた「国産牛ミニステーキ用」(100g299円、写真は445g)

 全体的に品揃えは売れ筋に絞られており、国産と輸入をバランスよく織り交ぜた構成となっている。国産で「質感」を、輸入で「価格訴求」を打ち出す、ロピアの王道スタイルとも言える売場となっている。

 後編では、日配、加工食品、酒類などの売場を見ていく。

(店舗概要)
所在地 東京都杉並区下高井戸5-12-12
改装開店日 2023年4月22日
売場面積 約400坪(歩測、2階食品売場)
営業時間 10:00~20:00
駐車台数 300台
アクセス 京王線「下高井戸」駅から徒歩約14分

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください