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カインズが都心・新宿にオープン!ハンズ新宿店も全面改装!新しい売場づくりを徹底解説!

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2023年6月28日 13時47分

ハンズ(東京都、旧東急ハンズ)が旗艦店「ハンズ新宿店」を6月29日に改装オープンするのにあわせ、同日、8F部分に親会社でホームセンター企業のカインズが「カインズ ハンズ新宿店」をオープンする。都心部1号店となるカインズの売場づくりと今後の戦略、さらにはハンズ新宿店の改装ポイントを解説する。

左からハンズ新宿店店長の後藤千夏氏、カインズ社長でハンズ会長の高家正行氏、カインズ ハンズ新宿店店長の曽根佑司氏
左からハンズ新宿店店長の後藤千夏氏、カインズ社長でハンズ会長の高家正行氏、カインズ ハンズ新宿店店長の曽根佑司氏

カインズ、4つのテーマに絞って売場を構成

ハンズは、新宿駅南口にある「新宿高島屋」を核とする商業施設「タカシマヤ タイムズスクエア」の2~8F部分に出店している。今回、全面改装を行った「ハンズ新宿店」の売場は2~7Fの6フロア構成となり、8F部分に「カインズ ハンズ新宿店」がオープンした。

カインズ ハンズ新宿店
カインズ ハンズ新宿店

まずカインズ ハンズ新宿店から解説したい。

売場面積は950㎡で、郊外の既存店と比べる1/4~1/10程度と非常にコンパクトだ。既存のホームセンターを縮小した売場ではカインズらしさやお客に驚きと楽しさ、利便性を提供できないことから、ライフスタイル切り口で4つのテーマに絞って、全く新しい店をつくった。カインズがブランドコンセプトに掲げる「くらしDIY」に特化して提案する初めての店になる。

カインズ ハンズ新宿店のターゲットは、新宿エリアの居住者、エリアで働く人、休日に遊びに来る人、そして観光客と幅広い。そうしたなかカインズでは、「暮らしの提案」として多種多様な切り口のテーマを持つうち、生活者の普遍的な3つのニーズ、1つの遊び心ある切り口の4つのテーマに特化して売場を作る。

具体的には、①ピカピカを極める、②スッキリ整える、③スヤスヤを叶える、そして④妄想ラボの4つだ。

たとえば①ピカピカを極めるでは、アイディア掃除道具の提案からそもそも空間を汚さない工夫などで売場を構成。「思い立ったら1秒掃除」では、日々の生活で気になった時にサッと掃除できる環境づくりを整備する商品をセレクト。「立つほうき」や「使い捨てマイクロファイバークロス」などでコーナーをつくる。

ピカピカを極める
あらゆる空間、モノをきれいにする提案をする「ピカピカを極める」

気になるのが④妄想ラボだろう。これはシーズンごとにテーマを変え、「こんなことができたらいいな」というワクワクするくらしのアイディアを提案するコーナーだという。

今回の提案は「もしも家がジャングルだったら」。文字通り、インテリアグリーンで自室をジャングルのように満たしてしまったらどんな暮らしになるだろうか?という「妄想」を提案する。奇抜なようだが、仕事から疲れて自宅に戻ったら、鬱蒼とした緑に囲まれてリラックスしたい人もいるかもしれない。定期的に「妄想」を変えることで、お客の来店動機にもつながるし、自宅の雰囲気を変える上でインスピレーションを得られることだろう。

妄想ラボ「もしも家がジャングルだったら」
妄想ラボ「もしも家がジャングルだったら」

以上4つのテーマで売場を構成するカインズだが、もう1つの特徴が、テーマ売場を構成する各コーナーもすべてテーマごとに作られている点だ。従来のホームセンターは品番やカテゴリーごとの売場となっているわけだが、完全に提案ごとの売場になっているわけだ。

店内で面白いと思ったコーナー名をいくつか挙げると「プロの技は道具が9割」「眠りは香から」「汚れた手でも開けられる」「壁を作ればDIYし放題」など。いずれも分かりやすいキャッチコピーで、「この売場でどんな自分のライフスタイルがかなえられるか」を明確化しているのが特徴だ。

このように都市生活者にとって、新鮮な暮らしや住まい方のアイディアを提案するカインズ ハンズ新宿店。同店の曽根佑司店長は「店づくりにおいて最初から店のメンバーが関わって1から作り上げた店。店のメンバーには売場を変えることに何の抵抗もありませんから、開店したからゴールではなく、お客さまの声を聞きながら店はどんどん変わっていくと思います」と語る。

ハンズ新宿店の見どころは?

次にハンズ新宿店の売場を解説したい。

新装したハンズ新宿店
新装したハンズ新宿店

ハンズ新宿店としての売場は1フロア減ったものの、バックルームだった部分を売場にするなどして売場をねん出、売場面積の減少は10%に抑えた。品揃えについても、陳列や通路幅を工夫したことで改装前と比べて数%減にとどめている。

隣接するニトリ新宿タカシマヤタイムズスクエア店など競争環境を鑑みてインテリア売場を大幅縮小、寝具など「睡眠」の売場に特化したほか、新たに「切り花」売場の導入、体験スペースの新設、包丁売場でショーケースを大幅に増やして売場を拡大するなど、お客のニーズに合わせメリハリある売場を作る点が特徴だ。

フロア構成は、2Fがバッグ、切り花、ギフト、カードなど、3Fがヘルス&ビューティ、4Fが文具・デザイン、5Fがクラフト・トラベル・アウトドア、6FがDIYと素材、7Fがキッチン・バス・トイレタリー、寝具などのハウスウェア、となっている。

とくに5~7Fはカインズとの関連性も鑑みたフロア配置になっている。

7Fでは約300種の包丁がショーケースに整然と並ぶ「包丁コーナー」を新設。日本人のみながらインバウンド客に人気の包丁を揃える。ちなみにインバウンド客には模様が美しいダマスカス鋼の包丁が人気だという。店内では10万円を超える高級柳刃包丁まで揃える。

約300種揃う包丁コーナー
約300種揃う包丁コーナー

6Fに新たに設けたのが常設の体験スペース「HANDS DO」で、週末のみならず毎日ワークショップを開催する。複数ワークショップを用意しており、カインズとコラボした「推しカラーでつくれるアルコールインクコースター」や、「フルーツ柄のレザーでつくるアコーディオンポーチ」、「金継ぎをまなぶ」など多彩だ。

HANDS DO
新設した体験スペースの「HANDS DO」

5Fでは「アガる、創る、学ぶ×楽しむコーナー」として、電子工作キットや3Dウッドパズルなどを集めた。6万円以上する「ディーゼルエンジン組立キット」や「4気筒エンジン組立キット」などマニア心をくすぐる商品もショーケース内で展示、提案している。

エンジン模型組み立てシリーズ
エンジン模型がならぶ

ナノブロックでは「SPY×FAMILY」など人気アニメのキャラものをショーケースに並べるなどして、幅広い年齢層にとっての「趣味をとことん楽しむ。」売場を作っている。

 

以上のような売場づくりで新たなスタートを切った新生ハンズと、初の都心出店を果たしたカインズ。カインズの都心店舗の次なる予定や、今後ハンズ既存店のなかに今回のようなかたちでカインズが出店していくかどうかは未定だというが、はやくも今後の展開が気になるところだ。

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