チリワイン市場、「安旨ワイン」と「高品質ワイン」の二極化へ
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2023年9月11日 1時0分
コロナ特需の反動によりワイン市場が停滞しており、同様にチリワインも厳しい状況となっている。チリワインは「安くて旨い」デイリーワインとして安定した人気があるが、品質を求める層が増え、消費の二極化が進んでいる。今後は中価格帯ワインの品揃えが売上アップのカギになりそうだ。
4割のシェアをキープ、チリワインが依然トップ
量販市場の輸入スティルワイン(非発泡性ワイン)の製造国別販売金額シェア【図表①】において、2022年7月~23年6月のチリは40.67%で前年を0.59%上回った。依然として高いシェアをキープしている。2位のフランスは21.85%で前年の1.81%減、3位のスペインは12.24%で前年の0.63%増、4位のイタリアは9.97%で前年の0.12%増となった。
19年に欧州EPAが発効され、欧州産ワインが値下げされたことで欧州産ワインは微増が続いている。今回もスペイン、イタリアは微増となったが、フランスだけは微減となった。1位のチリは、欧州産ワインに押され、微減が続いていたが、コスパの高さや品種の多さなどから根強い人気で、輸入スティルワインでの存在感は大きいといえそうだ。
チリワインは「安旨」(安くて旨い)のデイリーワインとして日本でも定着し、500円前後のものが中心となっているが、同価格帯は厳しい状況だ。そのなかで好調なのが、「フロンテラ」ブランド。リーズナブルな価格でありながら、単一品種でつくられているアイテムが多く、品種による味わいが楽しめるのが魅力だ。「フロンテラ スタンダード」では、果実味が豊かであることや品種が多いことなど、ブランド価値をわかりやすく伝えることで、トライアルを獲得している。また、ブドウの収穫や製造方法にこだわったワンランク上のプレミアムシリーズも好調だ。
品質を求める層が増え、1000円以上の価格帯が拡大傾向
低価格帯ワインを求める層がいる一方で、量より品質を求める層も増え、中価格帯ワインが拡大している。1000円以上のチリワインフルボトルの販売金額シェア【図表②】をみると、21年7月~22年6月のシェアが12.84%なのに対し、22年7月~23年6月には14.03%まで上昇した。
この中価格帯をリードしているのが「カッシェロ・デル・ディアブロ」。高品質な味わいは世界中でトップレベルの評価を獲得しており、日本でも「盗み飲みされるほど美味しいプレミアムワイン」という興味を喚起する首かけPOPなどで、トライアルが進んでいる。各種クーポン施策やCM、デジタル広告にもチャレンジし、認知・高品質イメージアップを図っている。とくに「ディアブロ」で好調なのが、レッド・ブレンド。さまざまな品種が味わえる赤ワインで、そのおいしさとわかりやすさで世界的にもトレンドとなっている。
メルシャンではチリワインのプレミアム化を図るために、「ディアブロ」と「フロンテラプレミアム」との併売を提案しており、売上がアップする効果が実証されている。チリワインのプレミアムな魅力を伝えることで、さらなる売上アップにつなげていく考えだ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
チーズ市場、24年は価格改定が一巡し需要は回復基調
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年11月23日 1時0分
-
ワインなど値上げ 来年3月からメルシャン
食品新聞 / 2024年11月13日 11時12分
-
ワイン・焼酎・ジンの一部商品の価格改定について
PR TIMES / 2024年11月12日 16時45分
-
即席麺市場、秋冬の需要期に向けて各社からこだわりの新商品が続々登場
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年11月11日 1時0分
-
気候変動とワイン 伝統産地に消滅危機 新産地出現も 塗り替わる地図 環境激変に適応急ぐ
食品新聞 / 2024年11月8日 10時49分
ランキング
-
1冬の味覚ハタハタ、海水温上昇で今季の漁獲量は過去最低か…産卵場所に卵ほとんど見つからず
読売新聞 / 2024年11月24日 11時52分
-
2ローソンストア100「だけ弁当」第12弾は「イシイのミートボール」とコラボした「だけ弁当(イシイのミートボール)」
食品新聞 / 2024年11月23日 20時40分
-
3異例の「ケーブル盗難でリフト運休」 スキーシーズン前に 捜査は継続中
乗りものニュース / 2024年11月24日 14時12分
-
412月に権利確定「株主優待」長期保有が嬉しい銘柄6選
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月24日 9時15分
-
5「中間管理職を減らしたい」企業の盲点 リストラで起こる、3つのリスクに備えよ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月24日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください