2022年秋・冬新商品ヒットランキング No1商品の集合陳列で商品認知度向上
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2023年9月22日 1時0分
ダイヤモンド・リテイルメディアでは、道北アークス(北海道/六車亮社長)の協力の下、「2022年秋・冬 新商品ヒットランキング」のNo1商品を集めた店頭販促企画を実施。新たな需要の掘り起こしにつなげる同企画の詳細をレポートする
旭川市内の3店舗で
No1商品販促施策を企画
ダイヤモンドチェーンストア誌では、KSP-POS(食品SM)に基づき、2022年7月から12月に新商品・リニューアル商品として発売された商品の期間金額PI(調査期間:22年7月から23年2月までの8カ月間、販売店率20%以上が対象)から各カテゴリーのNo1商品を選出し、23年6月1日号の誌面で発表した。
ランキングで選出されたのは加工食品、洋日配、酒類など6アイテム。新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことで外出の機会が増えた一方、昨今の物価上昇の影響もあり、消費者の購買意識が保守的であることから、ランキングに入った商品は信頼感のあるロングセラーブランドのブラッシュアップや人気ブランドのシリーズ品が目立つ。
発売当初の新商品は定番棚のほか、エンドや催事スペースに陳列され来店客とのタッチポイントも増えるが、発売から半年もすると定番棚のみの展開で商品を目にする機会が極端に減少する。こうした理由から、同誌では「22年秋・冬新商品ヒットランキング」の選出商品を集積し、半期前の新商品にもう一度スポットを当てる販促施策を企画した。
実施企業は北海道の道北エリア44店舗を展開するスーパーマーケットチェーンの道北アークス。今回は旭川市内のウェスタン川端店、ウェスタンパワーズ店、スーパーアークスウェスタン北彩都店の3店舗で、7月24日から31日の1週間で展開された。
No1商品POPの活用と集合陳列で
売上・点数共に大幅増
対象商品は、イートアンドフーズの「大阪王将 羽根つき餃子」、キリンビールの「キリン 氷結®無糖 グレープフルーツ7%」、創味食品の「創味ハコネーゼ 生クリームとゴーダチーズの濃厚カルボナーラ」、 ニッスイの「まんぞくプレート ふっくらごはんとデミグラスハンバーグ」、明治「プロビオヨーグルトLG21」「「明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ低糖・低カロリー112ml×6本入り」のランキングNo1商品のほか、道北アークスで選出したタカノフーズ「北海道産雪ユキホマレ大豆ひきわり」、キッコーマン「うちのごはん 豚大根のてりうま」、Mizkan「味ぽんうまピリ」、キリンビバレッジ「ファイア ワンデイブラック」の計12SKU。
店頭展開にあたっては「2022年秋・冬新商品ヒットランキングN01商品」のロゴと共に、商品ごとにパッケージ画像と商品特長を記した販促用POPやボードを掲示。さらに販促物の画像データを活用し、自ら催事コーナー向けの販促物を作成する店舗もあった。
実施期間と前週の数値を比較すると、日配品に一部ロスが出たものの、売上金額は12SKU平均で前週比173.8%、買い上げ点数182.5%の大幅伸長。一部商品については試食販売のタイミングも重なって大きな成果をあげた。
この結果について取締役・グロサリー商品部の鈴木桂市氏は「『No1商品』訴求は当社でも初めての試みだったが、インパクトのあるPOPが来店客の目を引き、どの店舗も立ち寄り率が高かった。半期前の商品ということで季節的なズレがあったり、地域性の問題でメーカーシェア的に少し弱さを感じる商品もあったが、総じて商品の認知度向上につながった」と所感を述べている。
「今回は商品力を見るためあえて値引きをしなかったが、次回実施する際はセールを実施したり、エントランスの掲示板で事前告知を行うなど、他の販促施策と絡めていきたい」と鈴木氏。同社では今回の実験を機に、来店客の投票によるNo1商品企画を立ち上げるなど、新たな販促施策につなげていきたいと語っている。
ウェスタン パワーズ
No1を活用して掘り起こしを行う
旭川市永山に位置する「ウェスタン パワーズ」の売場面積は3182m²と、大型店中心のウェスタン業態の中ではコンパクトだが、顧客満足度向上のために幅広い品揃えを心掛けている。
同店のグロサリー主任を務める石原直也氏は今回の企画について、「対象商品が昨年の秋冬新商品ということもあり、現在は定番棚の中で埋もれてしまった商品も一部ある。そういった意味でもランキングNo1商品の集合陳列を行うことで見え方が変わってくるし、掘り起こしを行うことで来店客に訴求しやすいと感じた」と話す。
「ウェスタン パワーズ」の客層はシニア層からファミリー層まで年代の幅が比較的広い。同店では販促物作成のスペシャリストがおり、ディスプレイコンテストの参加常連店。今回支給された販促物の他にも、自店でデザインしたオリジナルの長尺POPを活用し、売場を盛り上げた。
ウェスタン北彩都
集合陳列が定番棚の気づきに
旭川市南6条通のショッピングセンター内に位置する「ウェスタン北彩都」の売場面積は4655m²。今回、企画を実施した店舗の中では比較的客層が若く、周辺地域の所得及びバスケット単価が高めだ。
今回の企画について、同店の滝澤亮店長は「ブランド単独もしくは同一カテゴリーの商品を集積し催事コーナーで売り込むことはあるが、様々なカテゴリーのNo1商品を集合陳列して訴求するのは初めての試み。当店の来店客は各カテゴリーの定番棚で商品を手に取ることが多く、No1商品の集合陳列で視認させた後、定番棚のブランド別POPで気付かせることで買上につながればという想いもあった」と語る。
集合陳列の展開場所は洋日配売場前の主通路。22年秋・冬の新商品ではあったものの、認知度の高いコンスタントに売れているブランドも多く、安心感があったという。
ウェスタン川端
買上点数の向上につなげる
旭川市川端町の「ウェスタン川端」は、商圏範囲が半径20㎞と周辺市町村からの来店も多い店舗。客層はシニア層が中心で大商圏型であることから週末のまとめ買いや業務用ニーズもあるという。
同店は売場面積が5152m²と実施店舗の中で最も広く、スペースを生かした大量陳列や催事の展開が得意だ。山下明宏店長は、「来店客にインパクトを与える売場展開は川端店の魅力のひとつ。これまでNo1商品でくくった企画を実施したことはなかったが、ランキングをきっかけに買上点数の向上につなげられれば」と話す。
集合陳列は中央通路内と、冷凍食品売場前の2カ所。来店客が目にしやすい場所だったこともあり立ち寄り率も上々だという。また山下氏はブランド別のPOPについて「来店客にとって情報は多い方が商品を手に取りやすいため、新商品の中身に関する説明が書かれたPOPはありがたい」と、高く評価している。
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