精肉、小売価格が高止まりするなかで購入数量と比較して購入金額は上昇傾向
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2023年9月23日 1時0分
精肉カテゴリーでは、円安や資源価格の上昇といった影響を受け、国産・輸入ともに小売価格が高止まりで推移している。節約志向が強いなかでも、2022年後半頃から、購入金額そのものは比較的好調だ。こうしたなかでの精肉の消費動向と、輸出国マーケティング団体の取り組みを紹介する。
畜種にかかわらず、購入金額は増加傾向
独立行政法人農畜産業振興機構では、2022年から23年にかけての精肉に関する「家計調査」(総務省)のデータを畜種別にまとめている【図表】。「家計調査」は、月ごとに1人当たりの購入金額、購入数量をデータにしたものだ。
それによると、22年の牛肉の購入数量は対前年比7.0%減、豚肉は同0.5%減、鶏肉は同0.3%減と、いずれも前年を下回っている。
牛肉の消費構成は、家計消費が減少する一方、外食・中食の仕向け量は拡大する傾向にあり、近年は、外食・中食での消費が全体の消費量の約6割、家計消費が約3割、加工仕向けが1割弱で推移しているという。
牛肉の22年の家計消費の推移を見ると、購入金額は、前半は前年を下回って推移した一方、年末にかけては前年を上回っている。購入数量は、9、10月は前年を上回ったものの、それ以外の月では前年を下回っており、前年を15%以上下回った月もある。
一方豚肉について見ると、22年の購入金額は、1月と5月を除き前年を上回っている。一方、購入数量は、2、3、4、11、12月が前年を上回った。購入金額と購入数量の前年同月比を比較してみると、購入数量以上に購入価格が高くなる傾向にあり、販売価格の上昇が影響しているようだ。
鶏肉についても同様の結果が出ており、22年では、購入金額が前年を上回る月が多かったのと比較して、購入数量が前年を上回った月は少ない。こちらも価格上昇の結果だろう。精肉市場全般としては、消費量の伸び以上に小売価格が高止まりしていることで、購入金額は増える傾向にあるといえそうだ。とくに円安や国際的な資源価格の上昇は、精肉以外でも多くの食品価格上昇につながっている。
値上げトレンドへの警戒感のなかで新たな食べ方提案や品質を訴求
公益財団法人日本食肉消費総合センターが22年10月に実施した「食肉に関する意識調査」では、最近の円安・資源価格の高騰等に伴う物価上昇による食肉消費への影響や変化についても調査を行っている。
その報告書によると、とくに変化はないという回答か6割以上であった一方で、「購入量が減った」「購入回数が減った」「まとめ買いするようになった」「国産の食品を選んで買うようになった」「輸入・外国産の食品をあまり買わないようになった」「より安い商品・製品を選んで買うようになった」「より価格の安い店を選んで買うようになった」などの変化があったとする回答も一定数寄せられている。
こうした状況のなかで、メーカーや輸出国のマーケティング団体は、需要喚起のためのさまざまなプロモーションを展開している。
たとえばアメリカ産牛・豚肉のマーケティング団体である米国食肉輸出連合会では、恒例の消費者キャンペーンを展開するほか、新たな部位の活用を提案することで、リーズナブルな新しい商品の訴求に力を入れている。
またカナダポーク日本事務所では、レシピ提案やセミナーなどによる情報発信を強化。今期はカナダビーフ国際機構と共催のセミナーを実施する予定で、カナダ産ポーク、ビーフの品質と安全性を訴求していく方針だ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
相場展望11月11日号 米国株: トランプ氏の関税引上げ策が引き起こす、貿易戦争に警戒 中国株: デフレ懸念が続く中国国内経済、デフレを輸出し嫌われる中国へ
財経新聞 / 2024年11月11日 13時44分
-
カレーライス物価、9月は1食364円 6カ月連続で最高値更新 「コメ」価格の値上がりがライスに影響 10月は380円到達予想
PR TIMES / 2024年11月11日 11時45分
-
今年のダウンジャケットは1着4000円も値上げ!豚肉価格が関係?―香港メディア
Record China / 2024年11月9日 9時0分
-
「令和のコメ騒動」解消後も続いている食卓の異変 日本の食卓で麺類の登場率が増加している
東洋経済オンライン / 2024年11月4日 9時20分
-
このままでは深刻な「EV貿易戦争」が勃発する…「激安の中華製品」を海外にバラマキ続ける習近平主席の大暴走
プレジデントオンライン / 2024年10月28日 9時15分
ランキング
-
1ローソンストア100「だけ弁当」第12弾は「イシイのミートボール」とコラボした「だけ弁当(イシイのミートボール)」
食品新聞 / 2024年11月23日 20時40分
-
2冬の味覚ハタハタ、海水温上昇で今季の漁獲量は過去最低か…産卵場所に卵ほとんど見つからず
読売新聞 / 2024年11月24日 11時52分
-
3「中間管理職を減らしたい」企業の盲点 リストラで起こる、3つのリスクに備えよ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月24日 8時0分
-
4UUUMを上場廃止させるオーナー会社の腹づもり 買収後も業績は低迷、2度目のTOBに至った深層
東洋経済オンライン / 2024年11月24日 8時0分
-
512月に権利確定「株主優待」長期保有が嬉しい銘柄6選
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月24日 9時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください