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ポイントは生鮮の“メリハリ”とローコスト化!「マミープラス」3号店の売場を徹底分析

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2023年10月24日 20時59分

マミープラス柏根戸店の外観

埼玉県を地盤とするマミーマートは7月15日、千葉県柏市の既存店を改装し、「マミープラス柏根戸店」としてリニューアルオープンした。同社が昨年から展開しているディスカウント型の新フォーマット「マミープラス」の3号店となる同店ではどのような売場づくりをしているのか。前編では青果・精肉・鮮魚売場をレポートした。後編では、青果に並ぶ同店の重点部門であるとみられる総菜のほか、加工食品や日配などの売場を見ていこう。
調査日=8月29、9月4日、7日 ※本文中の価格はすべて本体価格

マミープラス柏根戸店の外観

品揃え、価格訴求、オリジナル商品、“隙なし”の総菜

 筆者は1号店から今回の3号店まですべての「マミープラス」の売場を拝見しているが、どの店でもお客のリピートの要となっているのが総菜だ。売場スペースを広く取り、品揃えも豊富で、各コーナーに目玉商品を入れており、一部商品ではバンドル販売も絡めた、隙のない売場となっている。

 売場を見ていくと、入口から見て左側壁面50尺のスペースでは、「おにぎり」「寿司」「麺」「サンドイッチ」「デザート・ピザ」「和総菜」「サラダ」などを配置。おにぎりはグループ企業である彩裕フーズから納品した商品が中心で、「明太子」「紀州南梅」など9品目でを1個110円、3個298円で販売する。

 寿司は「魚屋の本気寿司」と記した看板を掲げ、12貫1200円、9貫798円、9貫598円などネタと量目を変化させ、多彩なラインナップを提案する。丼物は「しらす丼」(398円)、「ねぎとろ丼」「鉄火丼」(各500円)などを揃える。

寿司はネタや量目を変えて多彩なラインナップで提供する

 サンドイッチも彩裕フーズからの納品で、4尺のスペースに「ホイップサンドイチゴ」「バラエティーBOXサンド」(各350円)、「ハムチーズサンド」(298円)など12品目をよりどり2個550円で販売する。デザート・ピザコーナーでは、「ピザ(チルド)」(500円)のほか、「アップルパイ」「なめらかプリン」「珈琲ゼリー」「プリン」などオリジナル商品を充実させている。和総菜とサラダは外注商品で対応する。

 作業場の壁面24尺では、「焼鳥」「唐揚げ」などを販売する。調査日のフード付き什器で、目玉商品として「国産チキンカツ」「肉厚アジフライ」「厚切りハムカツ」を1個198円、2個298円で販売していた。

 右サイド32尺では「弁当」「洋食」「中華」「天ぷら」などを展開する。弁当は一部、店内加工商品もあるようだが、彩裕フーズ納品商品が中心となっている。店内加工の商品は限定的で、「厚切りヒレカツ重」「デミグラスのグリルハンバーグ弁当」(398円)、「ソース焼きそば」(298円)、「たこやき6個」(298円)などを揃える。納品商品では「チキンかつカレー」「黒牛アンガス牛丼」「オムライス」(各298円)、「スパイシー沖縄タコライス」(398円)、「炒飯&焼きそばセット」(298円)など多種多様なラインナップとなっている。レジ横ではオリジナル商品の「ピザ」をホールサイズ500円、ハーフサイズ298円で販売する。

加工食品、日配は売れ筋NBがベース

 日配は左ゾーンで冷凍食品・アイスクリームとゾーンを形成し、前方に洋日配、後方に和日配を配置する。冷凍食品はリーチイン冷凍ケース46尺で「家庭用」、平台84尺で「業務用」「大容量」「餃子」「スイーツ」など販売する。CGC商品の「おいしい茶豆300g」(199円)、「味の素冷凍食品・ギョーザ12個入り」(159円)、「イートアンドフーズ・大阪王将 羽根つきパーティー餃子1167g」(699円)などを価格訴求していた。アイスクリームは平台60尺で「個食」「マルチタイプ」のほか、こだわり商品も一部差し込んでいた。

マミーマートPBの「生ラーメン」

 和日配は店舗奥側、主通路側のエンド6尺で、「キムチ」「納豆」を展開する。「キムチ」は35品目の扱いで、オリジナル商品の「白菜キムチ320g」(158円)を軸に、CGC商品の「韓国直輸入キムチ400g」(339円)のほか、「高麗食品」「大象ジャパン」などこだわり商品の扱いもあった。和日配は売れ筋中心の品揃えではあるもののの、質を追求した商品も揃えており、への強い意識がある。同様に「豆腐」なども幅と質感のある構成になっている。

 洋日配も全体的に売れ筋をベースとし、価格訴求のオリジナル商品を絡めた、堅実な対応であるようだ。

 加工食品は店舗後方、3尺17本11本で売場を展開しており、右から飲料、乾物、調味料、即席麺、嗜好飲料となっている。こちらも売れ筋のNBにマミーマートのプライベートブランド(PB)商品、CGC商品を絡めた構成で、PB商品ではレギュラー珈琲、アマニ油、えごま油、こめ油、ドレッシングなど質感を意識した商品が目立つ。CGC商品ではケ、チャップ、マヨネーズ、米油など、購入頻度の高い商品をラインナップする。

 売れ筋NBを一部見ていくと、「ハウス食品・バーモントカレー230g」(223円)、「にんべん・つゆの素1ℓ」(388円)、「キユーピー・マヨネーズ450g」(275円)、「日清食品・カップヌードル」(148円)と、買いやすい価格で提供していた。

 マミーマートは既存の「マミーマート」屋号の店舗でも、酒類売場については、専門性の高い品揃えを特徴としているが、「マミープラス」でも酒類を重点部門と位置づけているようだ。前方2レーンでビール系飲料、缶チューハイ、ノンアルコール飲料の売場を展開しており、単品よりも6缶セット、ケースの販促を強化している。「アサヒビール・スーパードライ350mℓ」は6缶1029円、24缶4049円、「サントリー・金麦350mℓ」は6缶679円、24缶2699円で提供する。

 日本酒は18尺のスペースで、「八海山」「剣菱」など一升瓶25品目、750mℓでは高知の「酔鯨」、新潟の「麒麟山」など95品目を揃える。焼酎も乙類は「いいちこ」「霧島」など一升瓶24品目、6尺の専用boxでは「森伊蔵」「佐藤」「川越」などプレミアム焼酎16品目を扱う。ワインは24尺で、国産、輸入を幅広く揃えるほか、「稲葉」「マルカイ」「モンテ」などのワイン専門店の推奨ワイン29品目をアピールしていた。

 そのほか目を引いたのが日用雑貨の取り扱いだ。日用雑貨の売場スペース構成比9%と菓子、酒類よりも多い。取り扱いは消耗頻度の高い商品が中心で、品数は絞っているものの、売れ筋はしっかりと押さえている。紙類や袋類はよく売れているようだ。

原動力は生鮮部門のローコスト化?

 筆者はマミープラスの1号店から3号店までの売場を拝見しているが、マミープラスの強さの原動力は、価格訴求というよりも、生鮮食品部門のローコスト化にあると考えている。

 マミーマートが展開する「生鮮市場TOP」屋号の店舗と比較すると、マミープラスではとくに生鮮部門において作業を効率化させる試みが随所で見られ、加工食品や日配などもパートスタッフだけで作業を完結させる仕組みが構築できているように見受けられた。自社物件か賃借物件かの違いはあるが、とくに自社物件であれば、こうした管理コスト削減の取り組みは大きな効果がある。今後もマミーマートは不振店を「マミープラス」に転換していくと見られる。

 もう1つ注目したいのは、生鮮食品の“メリハリ”だ。食品スーパーでは、総菜を含む生鮮4部門において最大限お客を満足させねばならないと考えてしまいがちだが、マミープラスでは青果と総菜を柱とし、精肉は標準スタイル、鮮魚は冷凍重視という独自のスタイルをとっている。とくに総菜部門では、グループ企業の彩裕フーズの商品が存在感を放っており、魅力的なラインナップとなっている。こうしたグループの商品力もマミープラスフォーマットの確立に一役買っているとみていいだろう。

(店舗概要)
所在地 千葉県柏市根戸386-13
開店日2023年7月15日(リニューアル)
売場面積 約520坪(歩測)
営業時間 9:00~21:45
駐車台数 130台

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