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「こだわり」と「価格訴求」の大胆なメリハリに注目! ロピア仙台ヨドバシ店売場レポート

ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2023年11月21日 20時59分

ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)が東北エリア1号店となる「ロピア仙台ヨドバシ店」(宮城県仙台市:以下、仙台ヨドバシ店)を8月22日にオープンした。前編では、青果、鮮魚、総菜の売場をレポートした。後編では、精肉、日配、加工食品の売場からロピアの強さを探ってみたい。

ロピアが入る「ヨドバシ仙台第2ビル」

看板の精肉売場は?

 精肉売場は約70坪(歩測)で入口から見て左壁面40尺で牛肉、正面壁面40尺で豚肉と挽肉、3つの平台で冷凍肉と鶏肉をコーナー展開する。黒毛和牛は「仙台牛」と、ロピアオリジナルの「みなもと牛」、輸入肉は米国産、オーストラリア産を絡めた構成としている。豚肉は三元豚、メキシコ産・米国産の輸入豚を揃える。鶏肉は宮城県産のものをメインに、ロピアオリジナルの「みなもと鶏」も扱う。

 売場配置や商品構成はオーソドックスで、補充も十分に行われており、曜日によって売場を変更するなど柔軟な対応も見られた。品揃えは「メガ盛」の提案に力を入れていて、「豚バラしゃぶしゃぶ用」(100g100円)など安さの打ち出しにも余念がない。冷凍の馬刺しを扱うなど品揃えの幅も広く、肉にこだわりを持つお客も満足できる売場となっている。ただ、九州や関西の新店と比較すると、お客の購買意欲はやや控え目であるようだ。肉より魚を重視する地域性があるのかもしれない。

 和日配は正面壁面54尺、右壁面12尺売場を展開。和日配から連続するかたちで、洋日配は「乳製品」が24尺、ヨーグルト・チルド飲料が80尺とシンプルな配置となっている。ゴンドラゾーン前方にアイスクリーム・パン、後方に冷凍食品を配置する。

 商品構成を見ると、「売れ筋を確実に売る」という姿勢が貫かれている。「豆腐」は首都圏の店舗と同様に、「ハギワラ・北海道大豆木綿350g×2」(129円)、「タカノフーズ・絹美人150g×3」(79円)をメイン商品として販売。同様に、「納豆」も「タカノフーズ・極小粒ミニ50g×3」(66円)を軸に、ロピアの留め型商品と見られる「こいしや・平家納豆40g×3」(89円)も扱う。洋日配では「トモヱ乳業・無調整牛乳1ℓ」(1本179円、2本350円)のほか、プレーンヨーグルトは23品目の扱いで「明治・ブルガリアヨーグルトプレーン400g」(179円)、「雪印メグミルク・ナチュレ恵みヨーグルト400g」(129円)、「森永乳業・ビヒダスヨーグルト400g」(139円)などトップナショナルブランド(NB)もラインナップしている。

こだわりと価格訴求のメリハリ

 続いて加工食品売場を見ていこう。ロピアの加工食品は、売れ筋NBであっても単品ごとの対応で、メーカー主導ではなく、ロピア独自の商品構成となっている点に注目したい。そのため、売場はカテゴリーごとに個性がある。たとえば調味料は、3尺19本「ケチャップ」「ソース」「マヨネーズ」「ドレッシング」「たれ」の並びで、「たれ」は3尺8本でロピアオリジナル商品の「日本食研・肉だれ500g」(299円)、「丸越醸造・七味たれ360mℓ」(299円)など28品目を配置。開店時は期間限定で全て50円引きとしていた。このように、オリジナル商品だけで28品目の扱いがあり、売場を構成してしまえるのがロピアの強さでもある。

 そのほか、仙台ヨドバシ店では醤油のラインナップが充実しており、北海道の「福山醸造」、岡山県の「とら醤油」、大分県の「フンドーキン醤油」、山形県の「丸十大屋」など、各地域のブランド醤油14品目を扱う。こだわり商品の差し込みはどの食品スーパーでも行われているが、ロピアではこだわりの追求が徹底されており、競合店にはない品揃えが実現されている。

 一方で、棚下段では売れ筋の価格訴求がしっかりと行われていて、「キユーピー・マヨネーズ450g」は259円、「にんべん・つゆの素1ℓ」は299円、「ハウス食品・バーモントカレー230g」各種は199円、「日清食品・カップヌードルしょうゆ」は139円と、競合店を圧倒する安さで提供している。競合するチェーンとしては対策に難儀することだろう。

店舗外では、仙台ヨドバシ店限定の日本酒「あさ開」をアピールする看板を設置していた

 酒類売場では、ウイスキーに力を入れており、棚上段3段を使って3尺12本で鍵付きボックスを導入。スコッチウイスキーをベースに、ブランデ―やバーボンウイスキーなど約90品目を揃えた迫力ある売場となっている。日本酒は9尺のスペースで「浦霞」「一ノ蔵」など宮城県の銘酒を販売。仙台ヨドバシ店限定商品として、岩手県盛岡市老舗「あさ開の「純米吟醸豊楽720mℓ」(1199円)なども販売していた。

なぜ、ロピアの店には人が集まるのか

 仙台ヨドバシ店では、店舗奥側壁面の冷蔵ケースの上部に、「地域一番の安値を目指します。」と記したサインを掲げており、売場の各所で「競合店対抗値下げ」として販促を展開していた。定番でも多くの商品でも競合対抗が行われており、安さのイメージづけに余念がない。仙台市内で多く店舗展開するヨークベニマルをはじめ地場チェーンは大きく影響を受けることだろう。

店舗が入る「ヨドバシ仙台第2ビル」には大きな看板などは設置されていない。それでも店舗には多くのお客が詰めかけていた

 東北においてもロピアの集客力は絶大だ。地元メディアの報道によれば、仙台ヨドバシ店には開店から1週間で約10万人が来店したという。駅近の立地ではあるものの、ロピアが入る「仙台ヨドバシ第2ビル」には大きな看板などがないなかで、これほどの来店があったのには驚嘆するしかない。

 知名度もないなかで、ここまでの集客力を発揮できたのか。駅前に大型スーパー、ディスカウントスタイルの店舗がないこと、1600台の駐車場を備えており、クルマでの来店に対応していることなど、さまざまな要因が考えられるが、最大の理由はなんといって独自性あふれる商品にあるのではないかと筆者は考える。売れる商品、欲しい商品、そして見たことない商品、そうした商品の魅力がロピアの集客力の源泉となっている。

(店舗概要)
所在地 宮城県仙台市宮城野区榴岡1-2-13ヨドバシ第2ビル3階
開店日 2023年8月22日
売場面積 450坪(歩測)
営業時間 10:00~20:00
駐車台数 1600台(施設共通

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